買掛金(AP)自動化ソフトウェアと買掛金に関するベストプラクティスを活用すると、チームは手作業でのデータ入力に費やしている時間を削減できます。特定の取引のステータスを把握する時間の無駄を省くことができます。それらの情報はすべてダッシュボードに表示され、ワークフロー・ルールによって自動的にルーティングされます。
その結果、買掛金自動化ソフトウェアを採用する企業は、ミスが減り、プロセスが迅速化していることに気が付きます。可視性も向上し、不正の防止に役立ちます。
買掛金自動化とは
買掛金自動化(AP自動化)は、買掛金処理の手作業を自動化するツールまたはプロセスで構成されています。財務チームのメンバーがデータを手動で入力する代わりに、請求書や発注書の段階から、プロセス全体がデジタルで処理されます。
買掛金自動化は時間とコストを節約しながら、コストのかかるエラーからビジネスを保護するのに役立ちます。ただし、ソフトウェアをスマートなプロセスと組み合わせる必要があります。
買掛金自動化に関する10個の主要なベストプラクティス
ほとんどの財務リーダーは、「買掛金チームを効率化するには、どうすればよいでしょうか」と尋ねてきます。私たちの答えは、買掛金自動化ソフトウェアと以下のベストプラクティスです。
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同意を得る。通常、変化には不安が伴います。しかし、買掛金の自動化を成功させるには、財務チームのすべてのメンバーが参加し、献身的に取り組む必要があります。CFOがチーム・メンバーと1対1で、切り替えについて話し合う必要がある場合があります。買掛金自動化によってビジネスにどのようなメリットがもたらされ、業務がどのように容易になるかを説明してください。
フィードバックを書き留めて、ベンダーとの商談の際に、それを活用します。提案されたソリューションでチームの実際の課題に対処できることを確認してください。これらの話し合いを記録に残しておくと、買掛金自動化ソフトウェアに関するしっかりとしたビジネス・ケースを作成するのに役立ちます。
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買掛金自動化プロジェクト・マネージャーを任命する。特に導入フェーズでは、ソフトウェア・ソリューション・サプライヤーとのすべての交渉に関する担当窓口を設けることが重要です。この担当者は、この取り組みの舞台裏のさまざまな側面を監督し、自動化フローが最適に設定されていることを確認します。また、ソフトウェアに問題があった場合、社内関係者の連絡窓口としての役割も担います。日常的な管理は財務部門が担当しますが、プロジェクト・マネージャーは、監視や最適化などのプログラム・マネジメント・タスクを行い、効率の向上と維持につながる方法に関する定期的なレポートを提出する責任があります。
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できるだけ早く新しい請求書を入力する。Aberdeen Group(新しいタブで開きます)によると、買掛金自動化により、買掛金支払い日数(DPO)(新しいタブで開きます)を大幅に(平均5.55日)削減できます。ただし、その削減効果は、請求書をシステムにいつ入力するかに左右されます。依然として紙の請求書を受け取っている場合、速やかにスキャンする必要があります。新しい請求書を到着日にシステムに入力することをチームに習慣化してもらいます。これにより、取引をより適切に追跡し、DPOのメリットを最大限に活用できます。
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段階的に自動化する。「自動化できる」ことはたくさんありますが、一度にすべてを自動化する必要はありません。自動化したプロセスを段階的にロールアウトし、各段階の間でトラブルシューティングを行う時間を確保することをお薦めします。自動化によって問題が解決されますが、設定が不適切であるとより大きな問題が発生する可能性があります。また、新しいプロセスに慣れるの時間がかかります。移行をゆっくりと進め、新しいプロセスに慣れる時間をチームに与えることで、自動化のメリットを最大限に高めることができます。
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仕入先に情報を提供する。チームの全員を参加させるのと同じくらい重要なことは、仕入先とコミュニケーションを取ることです。多くの買掛金自動化システムでは、仕入先向けのアクセス・ポータルを設定できます。承認された仕入先は、自社に関連する情報を更新したり、請求書のステータスを確認したり、一般的な質問に対する回答を見つけたりすることができます。大量の発注書を定期的に作成している仕入先や、自社が主要顧客となっている仕入先のリストを作成しておき、変更点についてそれらの仕入先に早めかつ頻繁に連絡します。やがて、仕入先は常に情報が提供されることに感謝し、買掛金部門は、カスタマーサービスにかかってくる電話に何度も対応しなくて済むようになることでしょう。
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システムを統合する。財務チームはどのツールを頼りにしていますか。選択する買掛金自動化システムは、チームが買掛金処理に使用しているものと完全に統合されているか、統合できる必要があります。特に、エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)や顧客関係管理(CRM)などの主要な財務システムを考慮に入れることが重要です。チームが情報を複数回入力したり、ソフトウェアのログインとログアウトを1日中繰り返す状況は望ましくありません。さらに、既に使用しているツールを新しいシステムに統合することで、慣れるまでの期間をさらに短縮し、有益なレポートに変換できるエンドツーエンドのデータにアクセスできるようになります。
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早期支払い割引を活用する。ほとんどの仕入先は、早期支払い割引を提供しています。PayStream Advisorsの2017年のAP & Working Capital Report(新しいタブで開きます)によると、回答者の31%は、支払いや承認のための請求書の手動ルーティングが、このような割引による節約の少なくとも一部を達成する妨げになっていると回答しています。買掛金自動化を行えば、そのようなことは起きません。これらのシステムを導入することで、財務部門は資金管理の最適化と承認の迅速化を簡単に実現できます。
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ワークフローを設定する。買掛金自動化ソフトウェアは、ワークフロー・システムを導入して、従業員が自分の責任を明確に把握するのに役立ちます。それにより、買掛金管理チームの全員が、特に締め切りに関して共通の認識を持つことができます。問題が発生した場合、ソフトウェア・ダッシュボードをチェックして、承認に関して停滞が起きている場所を確認し、該当する従業員にプロセスを進めるよう促すことができます。
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指標に注意を払う。買掛金自動化ソフトウェアでは、ボタンをクリックするだけでリアルタイムのデータを取得して、ダッシュボード内で処理し、ビジネス・インサイトに組み込むことができます。こうしたデータを使用することで、うまく機能しているものとそうでないものを調査しながら、キャッシュ・フローを監視できます。たとえば、指標を通じて、再構成が必要なワークフローが判明する場合があります。場合によっては、ステップが多すぎるか少なすぎるために、タスクを効率的に完了できないことがあります。
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不測の事態に備える。自然災害、サーバー・クラッシュ、または停電により、業務が著しく中断する可能性があります。しかし、ビジネス継続性計画が構築されている場合、そうした中断を軽減できます。そのため、自動化する際に買掛金プロセスを忘れずに文書化しておくことで、必要に応じて、自動化タスクの処理を手動処理に戻すことができます。念のため、スタッフに対して、機能を手動で実行する方法についてのトレーニングを実施してください。
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買掛金自動化ソリューションの選択
ソリューションを決定する前に、ビジネス固有のニーズとプロセスに照らして、すべての買掛金自動化ソフトウェア・オプションを確認してください。これは、ビジネスに最適で、時間とコストを最大限に削減でき、ビジネス上のメリットを最大限に得ることができるソリューションを見つける上で重要です。
ここでは、ソリューションを選択する際に考慮すべき3つの要素を紹介します。
- ポイント・ソリューションと会計スイート: 自動化のみに焦点を絞った製品が数多く存在します。ただし、既存のソフトウェア(または、必要だが現在使用していないソフトウェア)によっては、それらの機能をより包括的な買掛金/売掛金ソフトウェア・スイートの一部に含めることが必要になる場合があります。
- 会計スイートとの統合: ポイント・ソリューションを選択した場合、そのソリューションがERPを含む企業の既存のシステムと通信する必要があります。ベンダーは、ソフトウェアをカスタム開発なしで統合するかどうかを明確にし、これらの統合において必要なメンテナンスのレベル(頻度、コスト、誰が行うかなど)を確認する必要があります。製品レビューを確認したり、同業者に意見を聞いたりして、製品の統合機能の品質に関するインサイトを得てください。
- 買掛金と売掛金のどちらが重要か: ポイント・ソリューションで注意すべき点の1つは、買掛金側または売掛金側により詳細な情報が提供される場合があることです。ビジネスによっては、一方のニーズが他方よりも大きい場合があります。ビジネスに最も合致する重点領域を備えたシステムを選択しましょう。