ここでは、CRMの導入目的を正しく理解し、失敗しないCRM導入のためのポイントを整理します。
企業にとって80%の利益が20%の顧客から得られるという80/20の法則が以前にも増して重要になりつつあります。企業は、その20%の顧客がロイヤルカスタマーであり続けるために、そのロイヤルカスタマーが誰であるかを理解することはもちろんのこと、その顧客の全ての接点を企業全体で理解する必要があります。
さまざまな業界でCRMソリューションの導入目的は多岐にわたりますが、そのほとんどが以下の3つに集約されます。
つまり、CRMとは、顧客情報を管理し、企業全体で顧客を把握し、適切なアクションを起こせるということに他ならないのです。
それでは実際に企業は何に注意してCRMの導入を行なえば良いのでしょうか?
次に企業が検討すべきは、クラウド型CRMで提供される製品提供形態です。
クラウド型CRMの提供形態には、Salesforceを代表とする単機能のみを提供するベスト・オブ・ブリード製品とNetSuiteを代表とするスイート製品が存在します。
オンプレミス時代に分断(サイロ化)されたシステムによる弊害として「ビジネスの変化にITが対応しきれない」,「ユーザーの生産性向上につながらない」といった不満の声は多く,肥大化するITの運用コストは経営にとって大きな負担になっていた事は記憶に新しいと思います。
サイロ化されたシステムの代表的な4つの課題を以下にまとめました。
これがビジネス成長の足かせになります。
多くのユーザーは散在する多様なシステムを使いながら業務を行っており,その場合,いちいち『この業務はどのアプリケーションを使えばいいのか』と考えなければなりません。そして、業務プロセスが人手を介したり、システムへの2重打ち込みなど企業全体の生産性低下につながります。
度重なる改修によって複雑化したシステムになると,そのメンテナンスだけで大きな負担がかかります。円滑な企業運営を行なうために常に他システムとの連携を考える必要があり、このインターフェースをシステムのバージョンアップ毎に最新に保つ必要があります。
データはあらゆるシステムに分断されているため、レポート作業や分析などにおいて多角的に正しいデータを導きだせません。Microsoft Excelなどを多用することにより常に古い不正確なデータで意思決定を行なう必要があります。
これらの課題の背景にあるのが,すべてサイロ型システム特有の構造からくるものです。 これは、オンプレミスであってもクラウドであっても変わらないということを理解する必要があります。 ERPやSCM,CRMといった業務アプリケーションが縦割りで動いており,それらの連携を維持するための複雑なインターフェースが張り巡らされています。新システムを構築する際にも,既存システムとの連携のためだけに相当のコストが発生するなど数多くの課題があるのです。そして、顧客満足度の向上は図られる事はありません。
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