受注管理システムには、今自社の在庫がどのような状態にあるか、つまり、どの商品がいくつ在庫として残っているかが、検索できる機能が必要であることがわかります。
さらにいうと、受注した瞬間に、自社の在庫のうち受注した数量分は、もうすぐなくなることが確定してしまいますから、物理的な在庫数量から、受注数量を引いておかなければなりません。この物理的な在庫数量から、受注したがまだ出荷していない数量を引いて論理的な在庫数量を計算しておくこと、別の言い方をすると、物理的な在庫の一部を、受注済として識別できるようにすることを「在庫の引き当て」といいます。これをやっておかないと、別の営業担当者が在庫があると思って受注しても、実際には在庫が足りないということが起こってしまいます。
在庫の引き当てを考えたときに、物理的に倉庫に存在する在庫数量を「実在庫数」、実在個数から引き当てられた数量を引いた残りの在庫数量を「有効在庫数」といいます。実在庫数と有効在庫数の関係を図1に示します。
4月1日現在で、実在庫数が50であった商品が、4月10日に10個受注した(引き当てられた)ことにより有効在庫数が40になります。実在庫数は、この段階では50のままで、4月11日に10個が出荷されて、はじめて40になります。
つまり、在庫管理システムのデータベースには、物理在庫数だけではなく、引き当てを考慮した有効在庫数のデータも含まれていて、受注管理システムから引き当て処理が行われ、出荷した際に、在庫管理システムとして出荷にともなう在庫数量の更新処理が行われることになります。この関係を図2にまとめてありますので、確認してください。
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