主要業績評価指標(KPI)は、NetSuiteの冬の展望(新しいタブで開きます)レポートを調査する財務チームにとって最重要なものでした。財務チームは、データを効率的に活用し、KPIに関する適切なレポートを作成し、コスト削減の方法を見出すことに集中してきました。しかし、財務部を経験していない経営幹部の優先順位は異なっていました。レポート・アナリストによると、両者の隔たりから考えられる答えの1つは、財務データには説明が必要であるということです。ポイントを指し示し、ビジネスの財務状態を示す説明が添えられていることが必要です。データを簡略化し、投資家、金融業者および内部の利害関係者がデータにアクセスできるようにする方法の1つは、財務指標を使用することです。

財務指標とは?

財務指標とは、会社の財務諸表にある複数のコンポーネント間の関係を示す測定値です。これらの指標を使用すると、迅速かつ明快に、業績の追跡、業界内での業績の評価、問題の発見、積極的な解決策の実施を行うことができます。

財務指標の測定が重要な理由

ビジネス・リーダーは、指標を使用して、自社と競合他社を比較することで、特定の業界内で広範に自社を評価できます。指標を使用すると、業績を評価し、改善の余地がある分野を示すことができます。また、問題がある分野を確認することや、潜在的な問題を防止または軽減するための措置を講じるのに役立ちます。さらに、ビジネスで外部の銀行や投資家からの資金調達を模索している場合、財務指標は、それらの利害関係者に対して、投資したお金が戻ってくるか、高い投資利益率を生むことができるかどうかの検討に必要な情報を提供します。

追跡する主要な19の財務指標

財務指標は、収益性、流動性、経営効率および支払能力を測定します。

収益性の評価に役立つ指標

これらの指標の計算に使用されるデータは、通常、損益計算書に含まれます。

  1. 総利益率:

    総利益率が高いほど、会社は製品(またはサービス)を効率的に利益に変換していることを示します。売上原価は、製品を生産するための合計金額(原材料および人件費を含む)です。純売上は、収益から返品、ディスカウントおよび売上値引を差し引いたものです。

    総利益率 = 純売上 – 売上原価/純売上 X 100

  2. 純利益率:

    純利益率が高いほど、会社は売上を効率的に利益に変換していることを示します。純利益率は業界によって異なるため、成功を評価するには類似する会社に注目してください。

    純利益率 = 純利益/売上 X 100

  3. 営業利益率:

    営業利益率の増加は、会社内の運営と原価管理がよいことを示します。

    営業利益率 = 総利益 – 運営費/収益 X 100

    総利益から運営費を差し引いたものは、金利税引前利益(EBIT)とも呼ばれます。

  4. 自己資本利益率:

    これは、株主が投資に対して得た利益率(税引後)を測定します。

    自己資本利益率 = 純利益/株主資本

流動性を測定する指標

次の指標は、会社が短期債務をどれほど迅速に返済できるかを測定します。これらの指標は、貸借対照表およびキャッシュ・フロー計算書からの情報を使用します。

  1. 運転資本比率または流動比率:

    ビジネスは短期債務に見合っていますか?運転資本比率が1以上の場合は、ビジネスの資産が負債の値を超えていることを意味します。運転資本比率は流動比率とも呼ばれます。

    運転資本比率 = 流動資産/流動負債

  2. 現金比率:

    この測定値は運転資本比率に似ていますが、現金および現金同等物のみ考慮します。これには在庫は含まれません。

    現金比率 = 現金および現金同等物/流動負債

  3. 現金同等物は、短期社債や割引短期国債など、90日以内に満期になる投資です。

  4. 当座比率(新しいタブで開きます):

    現金比率に似ていますが、すぐに現金に換金できる資産も考慮します。

    当座比率 = 流動資産 – 在庫 – 前払費用/流動負債

  5. キャッシュ・フロー対負債比率:

    ビジネスの負債を 営業キャッシュ・フロー(新しいタブで開きます)でどれほど支払えたかを測定します。たとえば、この比率が2の場合、対象の1ドルの負債に対して、会社は2ドルを獲得しています。別の見方をすれば、ビジネスは負債を2倍カバーできていることを示します。

    キャッシュ・フロー対負債比率 = 営業キャッシュ・フロー/負債

    営業キャッシュ・フローの計算方法は2通りあります。1つは、総収益から運営費を差し引く方法です。これは、直接法と呼ばれます。

  6. 営業キャッシュ・フロー対純売上比率:

    売上に関連してビジネスが生み出した現金を測定します。会計ツール(新しいタブで開きます) は、売上が増加してもこの数値が同じである必要があると提示します。数値が下がっている場合は、キャッシュ・フローに問題があるサインの可能性があります。

    営業キャッシュ・フロー対純売上比率 = 営業キャッシュ・フロー/純売上

  7. フリー・キャッシュ・フロー(新しいタブで開きます)対営業キャッシュ・フロー比率:

    通常、投資家は高いフリー・キャッシュ・フローに注目します。この比率が高いほど、経営状態の健全性が高いことを示します。

    フリー・キャッシュ・フロー = 営業からの現金 — 設備投資

    フリー・キャッシュ・フロー対営業キャッシュ・フロー比率 = フリー・キャッシュ・フロー/営業キャッシュ・フロー

経営効率を測定する指標

次の指標は、会社の中核となるビジネス活動を示します。これらは、貸借対照表および損益計算書からの情報を使用して計算されます。

  1. 従業員当たりの収益:

    従業員はどれほど効率的で生産的ですか?この指標は、会社がどれほど社員を効率的に管理しているか、そして類似するビジネスに対する評価を確認するよい方法です。

    従業員当たりの収益 = 年間収益/同年の平均従業員数

  2. 合計資産の利益率:

    利益を生み出す際の資産の効率性に注目します。

    合計資産の利益率 = 純収入/平均合計資産

    平均合計資産は、年度末の全資産を合計したものに、前年度期末の全資産を加えて、2で割って計算します。

  3. 在庫回転率:

    会社が在庫をどれほど効率的に販売しているかを調べます。平均在庫の計算は、最初に、特定の期間(たとえば、四半期)から在庫残高を取得し、前四半期の在庫残高に加えます。それを2で割って、平均在庫を求めます。

    在庫回転率 = 売上原価/平均在庫

  4. 売上債権回転率:

    会社がどれほどよく回収を管理しているかを測定します。通常、この率が高いほど、顧客の支払が迅速であることを意味します。平均売掛金を把握する必要があります。これを計算するには、ある期間の開始時と終了時の売掛金を合計し、2で割ります。この期間は、月、四半期または年が可能です。

    売上債権回転率 = 純年間信用販売/平均売掛金

  5. 平均回収:

    これは、顧客が請求書を支払うのにどれほどの期間がかかっているかを把握するための関連測定値です。特定の年の平均回収期間を計算する計算式は次のとおりです。

    平均回収 = 365 X 売上債権回転率/純信用販売

    純信用販売を計算するには、次の計算式を使用します。

    純信用販売 = 信用販売 — 売上返品 — 売上値引

  6. 買掛債権回転日数(DPO):

    会社が債権者およびサプライヤに支払を行うのにかかる平均日数。この指標は、ビジネスでキャッシュ・フローをどれほどよく管理しているかを確認するのに役立ちます。DPOを計算するには、特定期間(月、四半期または年が可能)の平均買掛金の計算から始めます。

    平均買掛金 = 期間開始時の買掛金残高 — 期間終了時の買掛金残高/2

    DPO = 平均買掛金/売上原価 x 会計期間の日数

    計算されたDPO値は、会社が請求書を支払うのにかかる平均日数です。

  7. 売掛金回収期間:

    顧客が商品やサービスに対して会社に支払う平均期間を示します。

    売掛金回収期間 = 特定期間の売掛金/信用販売合計 X 期間内の日数

支払能力の評価に役立つ指標

次の指標は、貸借対照表からの数値を使用して、長期負債に見合う能力に注目します。

  1. 負債自己資本比率:

    会社が融資を返金する能力を示します。

    負債自己資本 = 負債合計/株主資本

  2. 資産負債比率:

    会社が資産にいくら資金調達しているかを把握します。資産負債比率が高いと、財務に問題があるサインの可能性があります。

    資産負債比率 = 負債合計/資産合計

財務指標の使用方法

これらの指標は、潜在的な投資家や金融業者が簡単にアクセスできる洞察力のある情報を提供します。指標は、ビジネスが財務的に堅調であることをスタートアップが投資家に示すきっかけになります。売掛金に関連する指標は、融資を求めるスモール・ビジネスにとって特に重要です。ピアツーピアのレンディング・マーケットプレイス「Funding Circle」(新しいタブで開きます)によると、銀行は、資産を担保とした融資の場合、その価値の70%から80%で適格な売掛金を査定します。

財務指標は、資金の確保のためのみに使用されるのではありません。KPIを提供したり、ビジネス目標に達するための戦略的な意思決定を導いたりするのに使用できます。たとえば、在庫回転率を計算して業界平均と比較すると、在庫に関連する現金が多すぎたり、需要を満たすための手持在庫が少なすぎたりする場合にバランスを保つのに役立ちます。

すべての情報は、会社の財務諸表から入手できます。テクノロジーを使用して会計プロセスを自動化し、静的な財務諸表を作成すると、時間を節約でき、人的エラーを削減できます。小規模ビジネス向け会計ソフトウェアを使用すると、正確で完全な財務情報を取得でき、財務指標を迅速かつ容易に計算できます。指標の説明を理解することは、最初の重要なステップです。しかし、指標のバックグラウンドにあるプロセスの自動化により、会社の財務の全体像をより明確かつ正確に容易に把握できます。