名古屋に本社を置き、製品マニュアルなどの技術情報と、それを基にした人財教育、販売支援事業を手がけるシイエム・シイ(CMC)。グループ全体では、世界中で顧客の様々な課題を解決するコンテンツ提供や、プロセス改善に関連する高度なサービスを手掛けています。同社の顧客は、主にモビリティ業界や製造業界を中心に、多岐にわたっています。
株式会社シイエム・シイ
〒460-0021愛知県名古屋市中区平和1-1-19
6億5761万円
プロフェッショナルサービス
OBIC7
STRAVIS
Microsoft Office
“予算を調整する際、前年度の予算、前年度の半期の実績を用いて今期の予算を評価したいと考えていました。NetSuite Planning and Budgeting によって、それらのデータが1つのデータベースから即座に取り出せるので、実態に即した議論ができることが、大きく進化した点だと思います。” 株式会社シイエム・シイ 経営企画室 丹羽真優氏
シイエム・シイは、技術情報コンテンツと業務標準サービス、人財教育支援などを提供する企業で、自動車業界を中心にした製品マニュアルや修理マニュアルなどの企画・制作・印刷を手がけています。また技術マニュアルの制作によって培ったノウハウを生かし、企業への業務標準の教育、販売支援、展示会の運営など、幅広い分野で戦略支援サービスを提供しています。
技術情報という強みをベースにして、マニュアルといった「モノづくり」から、人財育成など「コトづくりへ」と発展させることで、情報の形を変えながら企業の戦略を支援し、現在では、CMCグループとしてアジアに10拠点、ヨーロッパに3拠点、北米に1拠点、合計19のグループ会社を擁するまでに成長しました。
同社の経営企画室は、事業の変遷を数字で見て、次の戦略を立てる役割を担っています。そのため、企業内のさまざまな情報を集め、集計、分析することが重要なミッションです。しかし、その仕組みは極めてアナログ的な運用で、各部門が表計算ソフトでデータを作成し、スプレッドシートを経営企画室にメールで送信。同部ではデータを転記したり、関数を使ってレポート用のシートに作り直すという、完全に手作業による業務プロセスでした。
経理部門では会計システムのパッケージを使用していましたが、その他の各部署の数値管理には、20近い数のスプレッドシートをベースに運用していました。また、年に1回の予算策定だけでなく、月次の経営企画会議のためのレポート作業も毎月発生していました。月次データの集計作業を担当する社員は2名ほどで、毎月の作業が発生する時期は休むことができないなど、現場の負担は非常に大きいものでした。
しかも、このように苦労をして集めたデータは、リアルタイム性や柔軟性が乏しく、経営戦略を作る基礎データとして不十分なものでした。「変革」を経営のキーワードにしていた同社では、リアルタイムなデータ分析やシミュレーションのできるシステムが必要だという思いを強くしていました。
そこでCMCでは、事業部門から直接データを連携できるシステムとして NetSuite Planning and Budgeting を導入しました。これによって従来の現場業務を大きく変えることなく、スプレッドシートをそのままシステムにインポートできるようになり、経理部門は、会議資料の作成時間を年間換算で約223時間から約86時間へ、ほぼ3分の1に削減することができました。
また、効率化だけでなく、最新のデータを基にした会議資料の作成が可能となり、リアルタイムな経営判断のための情報提供が可能になりました。そして、部門別の売上高をより正確に予測するなど、さらなる分析にも時間を割けるようになり、経営陣はより強力な戦略的意思決定を行えるようになりました。
今後は、NetSuite Planning and Budgeting を各部門の現場が直接予算案の策定に使っていけるように、部門のユーザーを拡大していく支援活動を進めます。また経営企画室としても、NetSuite Planning and Budgeting に蓄積されたデータをIRなど予算以外の業務に活用していく計画です。NetSuite Planning and Budgeting という共通言語を基盤として、全社にデータを分析する文化をつくりたいと考えています。
過去の実績を即座に呼び出して分析し、未来の予測を事業別、科目別に細かくシミュレーションできる環境を手に入れ、シイエム・シイの戦略実行はさらに力強いものになりそうです。