「この世で確かなものは死と税金だけだ」というアメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンの言葉がありますが、ほとんどの企業は少なくとももう1つ、仕入先支払請求書の処理に取り組んでいることで同意するでしょう。企業が請求書の支払いを期限内に安全に行わない場合、企業の評判のみでなく、収益も損なわれる可能性があります。しかし、多くの企業が依然として、多くの時間とリソースを消費し、エラーの発生しやすい手動の買掛金(AP)処理に依存しています。

問題は、請求書、発注書、受領書、その他の書類など、大量の紙を管理から始まります。これらはすべてデジタル化するのに適しており、それによって買掛金自動化への道が開かれます。デジタル化と自動化を組み合せることで、請求書の支払とキャッシュ・フローの管理に必要な時間と労力を最小限に抑えることができます。さらに、企業は財務情報のタイムリーな洞察を得て、運転資金をより戦略的なプロジェクトに投入できるようになります。特に、従業員がリモート・ワークでバックオフィス業務を行っている企業にとっては、これが最善の方法であると言えるかもしれません。

買掛金管理をデジタル化する方法

買掛金プロセスのデジタル化によって、ハードコピーの請求書やその他の重要な記録は電子版に置き換えられます。これにより、光学式文字認識(OCR)技術を搭載した先進的な買掛金ソフトウェア(opens in a new tab)が文書を「読み取り」そこから情報を抽出することで、多くの文書業務を軽減できます。買掛金プロセスの全自動化により、企業はコストの削減、業務効率の向上、運転資金管理の改善、供給者との関係の強化などのメリットを享受できるようになります。

買掛金プロセスは、企業が仕入先からの請求書を受け取ることから、その支払いを行うまでの全てのステップを含んでいます。買掛金システムへのデータの送信、総勘定元帳(GL)(opens in a new tab)用の請求書のコード付け、詳細の検証、および支払のスケジュール設定が含まれます。全過程で、プロセスが安全であることと、エラーや不正がないこと(opens in a new tab)が確認されます。

要点のまとめ

  • デジタル化された買掛金システムでは、紙ベースの手動プロセスが排除および合理化され、重要な支払関連データにリアルタイムでアクセスできます。
  • また、買掛金管理のデジタル化により、組織は仕入先支払請求書を電子的に支払うことができるだけでなく、支払のスケジュールを設定したり、前払金/買掛金調整やディスカウントを追跡して適用することもできます。
  • 買掛金プロセスのデジタル化および自動化によって、買掛金処理を担当するスタッフは、より付加価値の高いプロジェクトに取り組めるようになります。また、スケーラブルなソリューションにより、企業の買掛金処理ニーズの増大に応じてスタッフを採用する必要性も減ります。
  • デジタル化された買掛金プロセスは、バックオフィス・チームを含む従業員がリモートで勤務する企業にとって不可欠なものになりました。

買掛金管理のデジタル化とは?

組織が買掛金管理をデジタル化することで、仕入先請求書を印刷したり、請求書のデータを会計システムに手動で入力したり、小切手を書いて郵送するといった紙ベースのプロセスが不要になります。その代わりに、買掛金データが抽出、統合されて、権限を持つ従業員が電子的にアクセスできるようになります。デジタル化された買掛金システムの利用により、企業はクレジット・カードやデビット・カード、自動決済機関、デジタル・ウォレットなどの様々な電子支払形式を使用して請求書を支払うことができます。さらに、仕入先が提供したクレジットやディスカウント(早期支払によるディスカウントなど)を適用することもできます。

買掛金とは?

買掛金は、企業が商品やサービスを受け取った後、供給者やその他の取引の債権者に支払うべき金額を指します。これには、取引の後に発生する顧客による支払いが必要とされるチャージバックも含まれていますが、長期債務や給与経費は含まれていません。買掛金は企業のバランスシートに負債として記載され、請求書の条件に従って支払いが承認され、発行されると、その支払いは完了した取引として記録されます。

買掛金処理をデジタル化すべき理由

パンデミックから学んだことの一つは、紙ベースの作業からデジタル化への移行を既に進めていた組織が、リモートワークへの大規模なシフトに迅速に適応できたということです。この流れは多くの組織で現在も続いています。買掛金処理のデジタル化により、組織は請求書処理ワークフローをより効率的にし、買掛金プロセスのすべてのステップをより正確で、安全かつ迅速に実行できるようになります。これにより、エラーが減少し、不正な請求書の見逃しが防げ、支払プロセス全体が加速されます。成長する企業にとって、請求書の期日を超過することによる供給者との関係の損傷や、競争上の不利を招くリスクから解放されることは、大きなメリットとなります。

買掛金デジタル化のメリットとデメリット

買掛金のデジタル化が企業にもたらすメリット(opens in a new tab)はデメリットを大きく上回るものですが、この変革を進めるかどうかの決定にあたっては、組織がメリットとデメリットの両方を理解しておくことが不可欠です。

買掛金デジタル化が組織にもたらす可能性のあるメリットは次のとおりです:

  • 請求書の処理と支払の速度が上がります。
  • 請求書のコーディング、認可、承認および支払が適切に行われていることが確認されます。
  • 新しい仕入先が認可され、すべての仕入先情報が正確かつ安全に保たれます。
  • 請求書の紛失により支払がないこと、または支払が遅れること、支払の重複、不正な請求書の支払、総勘定元帳のコードの間違いなど、手動のプロセスでは避けられない多くの種類のエラーが削減されます。
  • 発注書と請求書が一致しない場合などの例外の処理に必要な時間と労力が削減されます。
  • 規制コンプライアンスを維持するために、すべてのドキュメントとメッセージをリンクする検索可能な監査証跡が作成されます。
  • キャッシュ・フローの最適化や、ディスカウントおよび早期支払インセンティブ(opens in a new tab)の活用を行うタイミングが追跡されます。
  • ビジネス上の意思決定に役立つリアルタイムのデータドリブンな洞察が得られます。
  • 買掛金データのバックアップが作成されます。
  • 請求書の量の増加に応じて追加のスタッフを採用してトレーニングする必要性が減ります。
  • オフィスにおける保管場所や設備の必要性が減ります。

買掛金のデジタル化がもたらす可能性のあるデメリットは次のとおりです:

  • 企業文化が変化すると、特定の方法でタスクを完了することに慣れている従業員が不安を感じる可能性があります。
  • 従業員は新しいシステムのトレーニングを受けることにより、(一時的ではありますが)日常的なタスクから離れることになります。
  • 買掛金デジタル化システムの初期費用が発生します。
  • 計画および統合を適切に行わないと、組織内にテクノロジのサイロが生じることがあります。

買掛金管理をデジタル化する5つの方法

買掛金管理のデジタル化は、プロセス全体を自動化するための最初のステップです。ここでは、ビジネスをスムーズに移行する方法について説明します。

1. 自動請求書処理に移行します。

手動の請求書処理は時間とコストがかかりますが、自動化により組織は迅速かつ効率的に請求書を処理できるようになります。これにより、手動でのデータ入力の誤りを排除し、供給者との関係を維持し、請求書が期日内、または早期支払い割引を利用して支払われることを保証します。

自動請求書処理(opens in a new tab)ソフトウェアを使うことで、買掛金処理スタッフは手間のかかる作業から解放され、問題があると示された箇所の調査や、戦略的プロジェクトへの取り組みに集中できるようになります。また、一部の請求書処理自動化プラットフォームは、一元化されたエンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)プラットフォームでビジネス全体にわたる他のシステムと統合されており、全体的に現金管理を改善(opens in a new tab)し、決算プロセス(opens in a new tab)を迅速化することができます。

2. 請求書のルーティングおよび承認のためのワークフローを作成します。

従来の請求書のルーティングおよび承認のプロセスには、次のステップが含まれます:

  • 紙の請求書を受領または印刷します。
  • 請求書を検証し、不正や例外がないかチェックして、買掛金システムに「未処理買掛金」として入力します。
  • 請求書を、対応する発注書および(多くは)受領書と照合します。
  • 総勘定元帳で請求書にコードを付けます。
  • 請求書を、手渡しするかスキャンして電子メールで送信することで、適切な承認者にルーティングします。
  • 請求書にコードを付け、承認します。
  • 小切手を印刷し、支払を仕入先に郵送します。

買掛金処理をデジタル化すると、紙の請求書は不要になります。請求書は電子的に受信されるか、スキャンされてデジタル形式に変換された後に、先に述べた買掛金ワークフローに従って処理されます。各ステップは自動化されており、ほとんどの買掛金管理アプリケーションには、プロセスを簡略化し合理化するための構成可能なテンプレートが含まれています。

3. 手動のデータ入力をなくします。

買掛金の自動化プロセスは、技術面だけでなく組織文化にも影響を及ぼします。組織は手動で買掛金データを入力しているすべての場面を特定し、それらを包括的なデジタル化の取り組みに統合する必要があります。OCR技術を利用することで、紙の請求書からのデータを何度も手入力する作業が不要になります。さらに、自動化されたワークフローを採用することで、プロセスの各ステップが実行され、正確に完了することが保証されます。

4. 請求書の照合と検証を自動化します。

T請求書検証のプロセスには、請求書と発注書の照合(双方向照合)、および請求書と納品受領書との照合(3方向照合(opens in a new tab))が含まれ、すべての詳細が一致し正しい金額が支払われていることを確認するために実施されます。しかし、成長する企業では文書が増加し、この重要なプロセスはリソースを多く消費し、コストのかかるエラーが発生しやすくなります。デジタル化により紙の使用が不要になり、照合プロセスを自動化することができます。

5. 手動の元帳コード付けを廃止します。

総勘定元帳のコード付けは、買掛金プロセスの重要な部分であり、特定のコードを経費タイプに割り当てることで経費を追跡します。このプロセスにより、費用がどのように使用されたかを容易に判別できます。しかし、手動でコードを付ける際には、小さな入力ミスが発生する可能性があり、それが間違った部門への請求につながることがあります。買掛金のデジタル化と自動化システムには、手動のコード付けを排除し、正確な財務記録を維持しながらコストがかかるエラーを避けるための柔軟な構造が含まれています。

NetSuiteによる買掛金管理のデジタル化

文書業務をなくすことは、エンドツーエンドの自動化プロセスにおける最初のステップです。NetSuiteの買掛金ソリューション(opens in a new tab)は、調達から支払に至るまで、デジタル化のすべてのメリットを提供することで、エラーが発生しやすい手動データ入力の排除、請求書の処理と支払に必要な時間と労力の最小化、および早期支払ディスカウントの獲得を実現します。

NetSuiteのソリューションは、供給者請求書のレビュー、承認および支払を自動化し、請求書を正しい仕入先および発注書と自動的に照合します。自動化された仕訳入力により、借方と貸方を手動で入力する必要がなくなるため、時間を節約し、支払の正確な記録および仕入先への適時の送信を確実に行うことができます。

NetSuiteにおいて買掛金データは、会計、販売および運用のシステムのスイートの一部として、組織全体でシームレスかつ安全に共有できます。ユーザーが構成可能な役割ベースのダッシュボードに、リアルタイムの財務データと業務データが表示されます。これらのダッシュボードは、未処理の発注書、承認待ちの請求書、請求書の期日、スケジュールされた支払などを追跡するためのKPIおよびアラートが表示されるようにカスタマイズできます。NetSuiteのソリューションは、企業に起こる可能性のあるあらゆる買掛金シナリオをサポートし、合理化します。

買掛金は、ビジネスが成長するとますます時間がかかってしまう、重要な会計機能です。買掛金管理をデジタル化すると、データ入力、検証と支払のための請求書の物理的なルーティング、小切手の振出しといった紙ベースのプロセスがなくなります。買掛金デジタル化により、買掛金プロセスを自動化して加速させる道が組織に開かれ、社員はもっと興味深い作業の実行に時間をかけられるようになります。買掛金データおよび分析にリアルタイムにアクセスできるため、キャッシュ・フローと予測を改善し、収益を拡大できます。また、供給者の管理にも役立ちます。

No.1クラウド
会計ソフトウェア

お問い合わせ(opens in a new tab)

買掛金管理をデジタル化する方法に関するFAQ

どのようにして勘定をデジタル化するのですか?

デジタル化によって、ハードコピーの請求書およびその他の重要な記録は電子版に置き換えられます。光学式文字認識(OCR)技術を搭載した最新の買掛金ソフトウェアは、これらの文書から情報を読み取り、抽出することができます。買掛金プロセスを全自動化することで、企業はコスト削減、業務効率の向上、運転資金の管理改善、供給者との関係強化など、多くのメリットを享受することができます。

買掛金を電子化する理由は何ですか?

供給者の増加、世界的なサプライチェーンの複雑さ、規制上の要件、そして従業員の地理的分散などが原因で、買掛金処理部門はますます負担が大きくなっています。買掛金のデジタル化により、これらの部門は日常的な反復タスクを自動化し、支払いの正確性とタイムリーさを保証しながら、より戦略的で価値の高い作業に集中できるようになります。

どのようにして請求書をデジタル化するのですか?

技術的には、紙の請求書をデジタル化するには単純なスキャナーが必要です。次に、光学式文字認識(OCR)機能を持つ買掛金ソフトウェアを使用して、関連データを自動的に抽出し、システムに入力します。これにより、エラーが発生しやすい手動でのデータ入力作業を排除できます。

どのようにして買掛金を自動化するのですか?

デジタル化は買掛金管理の自動化への第一歩です。紙の文書が不要になることで、組織は請求書の受け取り、コード付け、必要な承認のための請求書のルーティング、支払い、照合といった買掛金プロセスの定期的なステップを自動化するソフトウェアやサービスを使用して、そのデジタル化を基盤に活動を進めることができます。

データ構造が重要なのはなぜですか?

構造化データは、人間が作成したコンテンツと機械が読み取るコンテンツの間の隔たりを解消します。特定の規則や標準に従って配置された構造化データは、デジタル化された請求書やその他の買掛金情報を処理する自動化システムにとって不可欠です。

買掛金プロセスとは何ですか?

基本的な買掛金プロセスには次のステップが含まれますが、企業または業種によって異なる場合もあります:

  • 組織は、供給された商品またはサービスの請求書を仕入先から受領します。
  • 組織は請求書をレビューし、それを発注書(および場合によっては受け取った商品やサービスの部品表)と照合します。
  • 組織は総勘定元帳の請求書にコードを付けます。
  • 組織は、承認のために権限のあるスタッフに請求書を送信します。
  • 権限のあるスタッフが請求書を承認します(金額によってそれが必要な場合)。
  • 組織は請求書の支払を行います。