チャネル・パートナー、販売代理店といった間接チャネルを利用するビジネスモデルにおいては、直接販売モデルにおける営業支援(SFA)と同等の機能がパートナーに対して提供されることが理想ですが、自社とパートナーとの間でITインフラを共有しているわけではありませんので、従来のパートナー管理システムは、独立したシステムで構築・運用される場合がほとんどでした。しかし、クラウド、あるいはSaasといった形態においては、このような限定を設ける必要はなくなり、自社内の営業支援(SFA)機能と統合された環境で、パートナー管理機能を提供できることになります。
また、間接チャネルを利用するビジネスモデルにおいては、直接販売モデルに比べて、短期間で商談数、さらには売上を増大させ、シェアを獲得することができます。しかし、利益の観点からみると、販売契約処理の複雑化、パートナー対応営業工数の増大、不適正なパートナーコミッションの設定、などが発生しやすく、売上が増加しても、利益の増加はそれほどでもないといった結果を招きかねません。したがって、パートナーとの見積もり・受注、パートナーコミッションの管理といったパートナー特有の業務をいかに効率化できるかが、パートナー管理機能にはもとめられています。
クラウドERPを選択する際には、自社内の営業支援(SFA)と連動し、パートナーに対して営業支援(SFA)に相当する機能を提供し、パートナーとの各種手続きを効率的に処理する機能を確認する必要があります。
営業支援(SFA)に相当する機能をパートナーに提供するのがリード共有管理機能です。リーダ共有管理機能では、パートナーの商談がどのフェーズにあるかの情報を共有した上で、パートナーに対する支援活動を行ったりすることで、パートナー商談の受注確度を高め、パートナー満足度を向上させることができます。
また、セキュリティを考慮した上で、営業支援(SFA)で統合されている、顧客や競合企業の情報を、パートナー商談に紐づけた形で提供することで、パートナー自身の営業活動の質の向上をはかることができます。
リード共有管理は、パートナー担当の営業マネージャに必要な情報を提供することも必要です。たとえば、パートナーごとの商談の数や見込金額を知ることで、目標との差異や進捗の状況を把握し、どのパートナーにどれくらいのリソースを割いて支援を行うべきかという戦略的な判断のもととなる情報を得ることができます。
クラウドERPには、このようなパートナー商談情報を、営業支援(SFA)と同様にパイプラインとして管理し、パートナーと共有する機能が必要です。
パートナーによって達成される売上の予測は、従来、大変難しいとされてきました。しかし、営業支援(SFA)の営業予測機能にパートナー商談の情報を追加することで、従来に比べてはるかに高い精度でパートナー営業予測を実現することができます。
また、商談のステイタスや確度といった商談管理プロセスの仕組みをパートナーと共有することで、商談ごとに的確な支援を提供するで、パートナー支援活動の質を向上させる同時に、自社の営業担当者による支援を限られたリソースの中で効率的に行うことができるようになります。
クラウドERPには、パートナー商談情報をパートナーと共有し、営業支援(SFA)機能と連動させることで、より精度の高い営業予測を実現する機能が必要です。
通常、パートナーが注文を行う際には、その都度、営業担当者に案件の詳細を連絡し、注文処理を依頼する必要があります。しかし、このような処理フローは、自社とパートナー双方に多大な工数を発生させるだけではなく、処理の誤りや遅延を引き起こします。
したがって、パートナー管理機能では、自社の受注管理機能と連動して、チャネル・パートナーや販売代理店が、簡単に注文処理をおこない、その注文をトラッキングすることができる必要があります。
これにより、自社及びパートナーの担当者はシステム上だけの操作で主な業務を完了させることができ、大幅な工数削減と迅速な注文処理が可能になります。また、パートナーが自ら注文をトラッキングできる機能を提供することで、担当者間の不要なやり取りを省くことができます。
クラウドERPでは、パートナーとの注文処理を可能な限り自動化し、双方の担当者の負担を軽減し、迅速な注文処理を実現できる機能を確認する必要があります。
パートナーの販売に対するモチベーションを高めるためには、パートナーコミッションの内容は非常に重要です。そのため、パートナーコミッションの仕組みは往々にして複雑になりがちです。しかし、複雑化したパートナーコミッションの仕組みは、パートナーとの間の契約手続きの複雑化を招き、注文処理といった日常の不可欠な処理の精度や速度に影響を与えかねません。また、複雑化したコミッションは、実績及び予測ベースにおける金額の把握を難しくして、かえってモチベーションをさげる結果にもなりかねません。
パートナー管理では、このように複雑化したパートナーコミッションであっても、日常の注文処理の中で、限りなく自動的に処理が行われることが必要です。また、パートナーに対しても、簡単にコミッション金額の計算とその結果の照会ができるような機能を提供する必要があります。
一方で、複雑化したパートナーコミッションの仕組みは、適正なパートナーコミッションが設定されているかどうかの検証を行うことを難しくします。パートナー管理では、コミッションの支出分析を通して、コミッション予算に対して最も採算性の高いプランを検討する情報が提供できなければなりません。
クラウドERPでは、パートナーコミッションにかかわる処理を可能な限り自動化し、適正なパートナーコミッションを維持できる機能を確認する必要があります。
営業支援(SFA)では、文書管理機能を利用して、営業プロセスで発生する文書の共有・閲覧・再利用を可能にすることで、営業活動の効率化とレベルアップをはかることが重要です。同様に、パートナー管理機能においても、パートナーとの間で文書を中心とした各種の情報を共有することで、パートナー側での営業活動の効率化とレベルアップをはかることが必要です。
従って、パートナー管理機能では、営業支援(SFA)の文書管理機能と統合されたパートナー向けの情報公開機能を持つことで、重要な営業情報やマーケティング情報を、タイムリーに共有することができます。
また、文書以外にも、FAQ、最新の解決策、解決済み問題などの情報を体系化して、パートナーとの間でナレッジベースという形で共有できることも重要です。
クラウドERPでは、このようなパートナーに対する情報公開機能が必要です。
チャネル・パートナーや販売代理店との共同キャンペーンは、間接チャネルを利用するビジネスモデルにおいては、大変重要な営業施策です。しかし、共同キャンペーンを各パートナーに合わせて調整・実施し、かつ、その効果を測定することは簡単ではありません。
しかし、ここまでに解説したように、商談情報や文書などの情報の共有、営業事務フローの連動が実現されている環境であれば、その上に、特別な価格情報、顧客への提供資料、一時的な見積もり・受注手続きなど、キャンペーン固有の情報を、すでに運用されているフローに流すだけで、従来に比べて、はるかに簡単にキャンペーンの運用を行うことができます。
キャンペーンの効果測定においては、キャンペーン対象商談の結果を集計・分析することで、明確な事実をベースにした効果の検証を、パートナーとの間で実施することができます。また、統合されたシステムで運用されたキャンペーンの結果は、容易に同じ手段で集計・分析できるため、複数のキャンペーンの効果を同じ基準で比較することも可能になります。
クラウドERPでは、通常業務に加わる負担を最小限にした上で、パートナーとの共同キャンペーンの実施・運用、及び、効果測定を実施できる機能が必要です。
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