カスタマーサービス管理

カスタマーサービス管理


従来のカスタマーサービス管理は、顧客からの問い合わせに対して、いかに効率良く、質の高い対応をするかといったカスタマーサービスの基本的なゴールを達成することを目的としていました。

しかし、本体のカスタマーサービスは、自社の顧客満足度を高めるためのさまざま要素のうちの重要なピースであるという観点から考えなければなりません。そのためには、カスタマーサービス部門に対する機能だけでは不十分で、営業部門など顧客接点を持つ他の部門との情報共有が必要となります。

したがって、カスタマーサービス機能は一元化された顧客データを中心に他のCRM機能と統合されていなければなりません。

クラウドERPを選択する際には、顧客満足度の向上を実現するためのCRM機能の一部として、カスタマーサービス機能が統合されているかどうかを確認する必要があります。

顧客データの一元管理

販売チャネルの多様化により、ある特定の顧客が、複数のチャネルを通じてアクセスしてくる可能性も増大しています。たとえば、テレビコマーシャルや雑誌といった広告媒体を通じて商品を認知し、次に、インターネット経由で、価格や機能などの商品の情報を収集し、リアルな店舗に来店して実物を確認し、最終的にはインターネットで購入する、といったような行動をとる顧客が増大しています。

このような顧客は、アクセスするチャネルが変わっても、自分に対して一貫した対応を受けられるかどうかで、その企業に対する評価を決めてしまいます。たとえば、インターネットで一度見積もりを取った顧客が、店舗で購入を希望した際に、異なる条件で見積もりを行ってしまうと、それ自体が顧客満足度を下げる要因となってしまいます。

このような顧客に対して、競合企業と比較した場合により高い顧客満足度を獲得するためには、営業担当者、店舗、カスタマーサービスといった顧客接点を持つ部門単位ではなく、その企業全体が、単一の顧客にたいして情報を共有し、ひとつの企業として顧客に対応していく必要がありますが、そのためには、まず最初に顧客データの一元管理が実現されなければなりません。

クラウドERPには、複数の部門にまたがって、コンタクトが発生する顧客データを、一元的に管理し、企業全体から、単一の顧客として認識できるような顧客データ統合機能が必要です。

ケース管理

ワークフローに代表される定型化された業務プロセスの定義と自動化には、従来、BPM(ビジネスプロセス管理)という手法で対応してきました。しかし、クレーム処理に代表される、カスタマーサービスにおける顧客対応の業務プロセスは、多くの場合、定型化するのが難しいため、ケース管理と呼ばれる手法で対応する必要があります。

ケース管理においては、詳細な業務ステップ(申請、承認など)を定義するのではなく、 ケースの登録、割り当て、エスカレーションといった重要な業務ステップのみを管理するかわりに、個別の詳細ステップを処理するために必要な情報を、様々な部署の担当者が、様々な手段を通じてアクセスし、場合により担当者間でコミュニケーションを取り合えるようなシステムが必要となります。

ケース管理において必要となる主な機能は以下のとおりです。

  • 顧客サポートケースの担当者への自動的な割り当て
  • 長期間停滞しているケースや、内容が重大であると思われるケースのエスカレーション
  • 顧客サポートケース全体のなかでのプライオリティ付けを迅速かつ的確におこなうためのルーティング
  • 顧客サポートケースに対応するためのEメール、電話、Faxなど、様々なチャネルのサポート
  • 顧客サポートケースにおけるコミュニケーション内容の履歴管理とその内容の検索・分析
  • 適切な専門担当者が対応するための、商品、問題、ケース別、パートナー、顧客それぞれに対しての割り当てとルーティング

このようなケース管理の手法を使って、顧客サポートを迅速、正確に行うことで、顧客満足度を向上させることができます。

クラウドERPの選択においては、ケース管理における、これらの主要な機能が含まれているかどうかを確認する必要です。

ナレッジベース

ナレッジベースとは、過去の顧客サポートケースの内容とその対応方法を体系的に蓄積したデータベースのことです。ナレッジベースには、FAQ、一般的な問題と解決方法、既知の問題、ヒントなど、様々な種類やレベルのコンテンツが蓄積されます。

このナレッジベースを構築・活用することで、経験豊富な専任担当者が対応できない状況でも、顧客サポートケースへの対応の内容を一定レベルに保つことができます。また、カカスタマーサービス以外の部署の担当者がナレッジベースへアクセスすることで、顧客対応を迅速に行うことができます。さらに、ナレッジベースは、経験のない担当者に対する研修コンテンツとしても活用することができます。

さらに、このナレッジベースを次に説明するカスタマーポータルを通じて公開すると、顧客がセルフサービスでアクセスすることで、より一層、顧客への情報提供や回答を迅速化させることができます。

クラウドERPには、このようなナレッジベースを構築し、社内及び顧客に対して公開できる機能が必要です。

カスタマーポータル

従来、顧客からの様々な問い合わせには、電話、FAX、Eメールをチャネルとして、カスタマーサービス部門が対応してきました。しかし、最近では、顧客向けに、オンラインで、注文、支払履歴並びに配送状況などの情報を提供することにより、顧客満足度を向上させ、顧客サポートのコストを削減するためのカスタマーポータルの利用が盛んになっています。

カスタマーポータルにおいて必要となる主な機能は以下のとおりです。

  • ケース番号の自動発行と、顧客への通知
  • 顧客に対して、注文状況や返品承認などの情報をリアルタイムに提供
  • オンラインフォームからのサポートの要請、資料請求
  • ナレッジベースへのアクセス
  • 顧客の属性に応じたコンテンツのカスタマイズ

このようなカスタマーポータル機能を使って、顧客がセルフサービスでサポートを受けられるようにすることで、顧客満足度を向上させることができます。

クラウドERPの選択においては、カスタマーポータルを提供するための、これらの主要な機能が含まれているかどうかを確認する必要です。

KPIモニタリングとケース分析

カスタマーサービスにおける業務の効率化や質の向上には、重要な評価指標(KPI)を設定して、それらを随時モニタリングする必要があります。

カスタマーサービスで一般的に設定されるKPIには以下のようなものがあります。

  • 未解決のケースの数
  • エスカレーションされているケースの数
  • ステータスが一定期間変更されていないケースの数
  • 長期にわたって未解決となっているケースの数

これらは、最重要の指標として、つねにモニタリングされている必要がありますが、これらのケースの数を、担当者ごとや、製品ごと、顧客ごと、などのさまざまな角度から集計し、個々のケースの内容にまで掘り下げることで、いろいろ問題の早期発見と対策を行うことができます。

クラウドERPの選択においては、カスタマーサービスで発生している状況をモニタリングし、必要に応じて詳細を分析できる機能が含まれているかどうかを確認する必要です。

No.1 クラウドERP
ソフトウェア

お問い合わせ(opens in a new tab)
営業担当者とチャット

NetSuiteにご関心をお持ちですか?

チャットを開始