AmazonとNetSuiteがあったからこそネットビジネスベンチャーとして起業できた


PREAPP Co., Ltd.

Company

株式会社 プリアップ

設 立:

2012年7月2日

事業内容:

・eコマースへの総合卸・小売業務並びに輸出入業
・海外関連事業のコンサルティング・ライセンシング業務

本社所在地

〒222-0033
神奈川県横浜市港北区新横浜 2-11-5 川浅ビル4F

役員:

代表取締役 明永敏悟

総従業員数:

14名

主要販売先:

アマゾン インターナショナル セールスインク、ダイワ商事(株) 他


“中小リテールの販路拡大を支援する独自のeコマース流通事業を確立するためには、NetSuiteの存在は不可欠で、起業のためにも必須の選択でした。” 株式会社プリアップ 代表取締役, 明永 敏悟 氏

株式会社プリアップ

株式会社プリアップは、eコマース専門の中間流通業として2012年に設立されました。創業者であり代表取締役の明永敏悟氏が、プリアップの前身となる企業を立ち上げたのは2003年。米国で10年以上ビジネスの経験を持ち、米国にいる時から日本と米国のAmazonが取り扱う商品や取引企業の違いを実感してきた明永氏は、日本のAmazonが抱える商取引のギャップを埋める存在になれば、大きなビジネスチャンスがあると確信し、同社を創業しわずか3年で急成長させました。その後も続く成長の秘訣は、緻密な事業戦略とNetSuiteを活用したリアルタイムのトランザクション管理にあります。NetSuiteがなければ自社の成長はない、と断言する明永氏に設立から成功までの経緯を聞きました。

導入の背景:日本のeコマース市場のギャップを埋める存在になるために起業

明永 敏悟 氏

株式会社プリアップ
代表取締役
明永 敏悟 氏

 株式会社プリアップの代表取締役の明永敏悟氏は、自社の主力事業と創業の背景について、次のように説明します。

 「当社は、日本のeコマース市場におけるビジネスのギャップを埋める存在になることを目指して、2012年に創業しました。一般常識としてeコマースはメーカーと消費者をダイレクトに結びつける仕組みなので、卸問屋のような中間流通業は不要であると考えられています。しかし、米国で主にゲーム製品のeコマース事業に携わってきた経験から、実際に中小規模のメーカーがAmazon と直接取引をするためには、様々なギャップがあると実感していました。この重大なeコマースのギャップを埋めるビジネスモデルを確立できれば、ベンチャー起業でも成功できると確信して、当社を設立したのです」

 Amazonで取り扱われている商品には、大きく分けて二つの分類があります。一つは、Amazonが販売元となっている商品です。もう一つは、Amazonマーケットプレイスという出品者が販売する商品です。

Amazonマーケットプレイスには、小規模なメーカーも多数出品していますが、消費者は利便性や安心を求め、マーケットプレイスよりもAmazonが直接販売する商品を購入する傾向が強く表れます。この傾向にビジネスチャンスがあると思った明永氏は、株式会社プリアップの創業時に、より多くのカテゴリでハブ機能を果たせるよう、Amazon黎明期からの取引実績を活かし、各カテゴリーの口座開設と商品導入に注力しました。これにより、商品ジャンル問わず、同社と取引を開始したメーカーは、自動的にeコマースにおいて最も販売力のある場所のひとつに自社製品を陳列し、販売機会を増やすことができるのです。

 「eコマースの卸問屋という仕組みはシンプルなのですが、このビジネスモデルを実現するためには、多品種少量の膨大な商品を的確に管理していかなければなりません。既存の流通業とは比較にならないくらいに、コスト効率よく商品を的確に管理するシステムの構築が不可欠でした。そのシステム基盤を確立するために、創業当初からNetSuiteの導入は決めていました」と明永氏はNetSuiteを採用した理由を語ります。

選定の理由 :米国のベンチャー企業が積極的にNetSuiteを採用している様子を肌で感じてきた

会社を設立する以前から、基幹システムとしてNetSuiteの採用を決めていた明永氏は、その理由が米国時代の経験にあると説明します。

 「米国でのビジネスでは、ゲーム会社の経営だけではなく、投資案件なども扱っていました。そのときに、米国で起業する多くのベンチャー企業がNetSuiteを採用している例を見てきました。その経験から、クラウドでERPや顧客管理システムを採用するメリットは十分に理解していました。実際に米国で経営していた会社も、創業から3年を経過して、オンプレミスのERPからNetSuiteにリプレイスしたのです。そのときに、既存のERPからクラウドへの移行には、それなりの時間がかかると実感したので、日本で起業するときには、最初からNetSuiteを採用するべきだと考えていました」

 明永氏がNetSuiteを基幹システムとして採用した理由は、米国での経験に加えて同社のビジネスモデルにも深く関わっています。

 「eコマースにおける中間流通業というビジネスモデルは、扱うアイテム数が膨大になるのに、とても利幅の少ない事業です。そのため、一般的に使われているオンプレミスの基幹システムや、属人的な物流モデルを採用してしまうと、ビジネスの競争力を維持できないと考えました。ベンチャー企業の経営においては、できる限り固定費を抑えて、事業の発展に合わせて柔軟に伸縮できるシステムや業務フローの確立が求められます。
NetSuiteであれば、ハードウェアや運用保守などの固定費がかからず、取り扱い商品がどれだけ増えても、新たな設備投資などを行うことなく、自社の成長に合わせて柔軟に拡張できます。こうしたクラウドのメリットが、我々のビジネスには不可欠だったのです」

 さらに明永氏は、NetSuiteを採用した決定的な理由について触れます。

 「そもそも、この事業を思いついて実行に移そうと決断した最大の理由が、AmazonとNetSuiteの存在でした。この2つのクラウドをリアルタイムで結び付けて、すべてのトランザクションを可視化することができれば、どんなに取引企業が増えて、取り扱い商品が膨大になっても、多大な固定費をかけることなく、ビジネスを回していけると確信したのです」

自社開発のiPadアプリでNetSuiteの受発注データとリアルタイムで連携し、円滑で正確な出荷管理を実現

導入の成果:iPadの専用アプリを開発し作業ミスの大幅な低減とリアルタイムのアイテム管理を実現

 2012年の創業と同時にNetSuiteによる基幹システムの運用を開始し、Amazonで取り扱うトランザクションを連動させたことにより、同社では受発注を管理するほぼすべての商品をリアルタイムで可視化できるようになりました。

 「創業した1年目は、主にシステムの構築と属人的にならない物流作業の実現に取り組みました。一般的に問屋業であれば、販売店から注文に対し、まとまった単位での出荷を行っていると思います。

それに対して当社の場合は、一個二個という注文品を何百何千という回数に分けてピッキング、出荷しなければなりません。同じ一千という商品の出荷でも、一箇所に送るのと比べると、一千箇所に送るには、何倍もの手間も人手もかかります。そのコストを最小限に抑えられなければ、ビジネスの競争力は高められません。そこで2年目に取り組んだのが、NetSuiteと連動したiPadの専用アプリの開発でした。専用端末ではなく、iPadという汎用的なデバイスを使うことで、初期投資を抑えながら、将来的な作業員の増加にも対応できると考えたのです」

 iPadのアプリ開発には、技術開発部の河村信一主任が取り組みました。

 「アプリ開発で、もっとも重視したのは現場での使い勝手でした。NetSuiteとの連携以上に、そこから得られたデータをどのように見せるかに多くの時間を費やしました。作業員が間違えることなく的確に商品のピッキングや発送ができるかを検証するために、何度もトライ&エラーを繰り返しながら開発しました。最終的な目標は、今日から現場に入って作業する人でも、短時間でiPadの操作を覚えて的確な出荷作業ができるようにすることでした。そのために、現場の声を第一に改良を加えてきました。その結果、出荷のミス率を0.01%以下に抑えるアプリを開発できました」

 Amazonから同社に送られてくる注文書には、複数の出荷先と出荷品が記載されています。そのため、出荷作業を行う人たちは、その注目書から出荷先別の商品を選別し、倉庫の棚から取り出してこなければなりません。もしも、この作業を注文書と人的な経験だけに頼っていたならば、何百何千にも及ぶ出荷をミスなく少人数でこなすことはできません。そこで同社の出荷システムでは、商品が入荷した時点で、それがどこの棚に置かれたかをiPadのアプリでチェックインする仕組みを構築しています。その商品の入荷と保管場所の情報はNetSuiteにリアルタイムで記録されます。そして注文書に該当する商品があれば、出荷用のiPadアプリが商品名、個数に加え、保管位置も詳細に表示します。作業員は、iPadアプリの情報に従って棚から商品をピックアップしていくだけで、的確に配送先別の出荷作業を遂行できるのです。

 「すべての受発注データと商品マスターがNetSuiteで一元的に管理され、クラウドによってiPadのアプリとリアルタイムで連動しているから、実現できたシステムです。出荷のミス率0.01%以下という結果にも、とても満足しています。この割合は、例えば1万個の商品を出荷しても、わずか1個しか間違えないということです。この基準は、当社にとっては最適な値です。この0.01%を限りなくゼロに近づけるために多大なシステム投資をするよりも、ある程度のミスが発生することを前提にマネジメントしていく方が、コストパフォーマンスに優れています。NetSuiteとiPadを組み合わせた受発注の管理とピッキングは、当社にとって最適なシステムだと評価しています」と明永氏は話します。

今後の計画:自社のECサイトや取り扱い商品もNetSuiteで最適な管理を実践してい

 「当社のビジネスモデルに注目して、地方各地からも多品種少量の商品をAmazonで効率よく販売する相談が持ちかけられています。また、当社もオリジナルのECサイトを運営する計画があります。こちらでも、もちろんNetSuiteと連動して、取り扱い商品をリアルタイムで可視化して管理できる仕組みを構築していきます。さらに、当社が日本総代理店として英国から輸入し販売しているヘアブラシ「タングルティーザー」の販売も好調なので、その販売拡大やマーケティング戦略の立案にも、NetSuiteで集計したデータを活用しようと考えています」と明永氏は新たな取り組みについて触れます。

タングルティーザー

 AmazonとNetSuiteという二つのクラウドを巧みに活用することで、同社のビジネスは確実な成長を遂げてきました。

 「当社が取扱う6万点以上のアイテムも、NetSuiteのデータを集計、加工することで、どのような商品や色、販売単位などが消費者のニーズにマッチしているのか、正確に把握できます。そのビッグデータは、当社にとって次の戦略やビジネスを展開する上での貴重な情報資産です。今後もさらにNetSuiteを活用して、競争力の高いシステムやビジネスモデルを開発していきます」と明永氏は語りました。

プリアップ

2015年11月取材


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