2024年7月17日、日本オラクル株式会社主催のイベント「SuiteConnect Tokyo」にて、「データドリブン経営を始めるために経営者がやるべきこと、チャレンジを紐解き、成功のためのステップを考える」をテーマにしたパネルディスカッションが開催されました。モデレーターは日本オラクル株式会社執行役員NetSuite事業統括日本代表カントリーマネージャーの渋谷由貴。登壇したのは、日産自動車株式会社 Global Head of Connected Car Services Strategy and Marketingのジョン・クラーク氏と日本オラクル株式会社取締役執行役社長の三澤智光です。
SuiteConnect Tokyoの最終セッションとなった本パネルディスカッションでは、データドリブン経営の重要性と課題、成功のためのステップについて、具体的な事例やチャレンジを交えながら議論が展開されました。渋谷が「目玉セッション」と紹介したように、本セッションは参加者の高い関心を集めました。自動車業界とIT業界双方での豊富な経験を持つクラーク氏と、オラクル社長の三澤という異なる視点を持つ登壇者による対談形式で、データドリブン経営の実践に向けた深い洞察が共有されました。
自動車業界での20年以上の経験を持ち、その後IT業界に転身。6年間で1000社以上の企業とミーティングを重ね、データ活用の成功事例と課題を見てきたジョン・クラーク氏。パネルディスカッションの冒頭、クラーク氏は自身の経歴を振り返りながら、データドリブン経営の重要性について語りました。
「トランスフォーメーションとイノベーションは基本的に同じものです。重要なのは、アジリティ(方向転換する能力)とスピード。そして、そのスピードを生み出すのがデータドリブンな意思決定なのです」(クラーク氏)
一方、三澤は、多くの経営者がデータドリブン経営の必要性を感じながらも、実現に苦戦している現状を指摘しました。
「大企業ほど、部門が多く、プロセスが複雑で、組織も巨大です。これがデータドリブン経営の大きな障壁となっています。一方、中小企業や成長企業は、プロセスと組織がシンプルなため、実はデータドリブン経営に近づきやすい環境にあるのです」(三澤)
両氏は、データドリブン経営を実現するためのERPの重要性についても言及しました。三澤は、ERPの本質的な役割について「ERPは単なる業務効率化のツールではありません。企業を取り巻く人やお金の情報を正確に格納し、データドリブン経営を実現するための基盤なのです」と述べています。
また、クラーク氏は、ERPの本質的な役割について「今どうなってるのか、いつでもどこでも、会社の規模が大きくなってもわかるためのもの」と延べ、インプットするためだけのメカニズムにしないためにも構造的に作ることが重要と話していました。
さらに、今後のERP選択において重要になるポイントとして三澤はAIを挙げ、「インフラストラクチャーからアプリケーション、AIサービスまでを一貫して提供できるベンダーを選ぶことが、コストと機能の両面で重要になります」と話した上で、NetSuiteの優位性を次のように紹介しました。
「NetSuiteは、自社のクラウドで、自社のGPU、自社のAIサービスを持っていることが一般的なERPと異なります。これによりコスト面で大きな違いが生まれますし、タイムリーにAIの機能を実装することができるのです」(三澤)
最後に、データドリブン経営を成功させるためのカギについて議論が展開されました。クラーク氏は、「DXが失敗する理由の90%以上はカンパニーカルチャーです。データは特定の部署だけが使うものではありません。全社的な取り組みが不可欠です」と技術よりもカルチャーの重要性を強調します。
三澤も同意見で、経営者のリーダーシップの重要性を指摘しました。
「経営者自身が、リアルタイムのデータを見て判断する姿勢を示すことが大切です。そして、それを可能にするツールを適切に選択し、活用していくことが求められます」(三澤)
セッションを通して両氏からは、データドリブン経営にシフトしていくためには、データの活用を特定の部署だけでなく全社的な取り組みとすること。技術の導入以上にカンパニーカルチャーの変革を重視すること。そして、トップダウンとボトムアップの両方からデータ活用を推進することが重要という意見が述べられました。
最後に渋谷からも、参加者に対して「皆様がそのリーダーシップを発揮するために、私達がお手伝いできることがあったら、何でもやりたいと思います」と、オラクル側のサポート姿勢を表明してイベントは終了しました。
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