CIOスポットライト

JR Tolentino氏|GLC社

NetSuiteへの切り替えによりイノベーションと事業拡張に成功したGLC社

GLC社はフィリピンで最も急成長している通信ディストリビュータの1つです。世界最高水準のIPテレフォニ・デバイスやオンプレミスおよびクラウド・ソリューション、音声およびビデオ・ソリューション、IP PBXおよびゲートウェイ、セッション・ボーダー・コントロール・ソリューションなど、ビジネス・コミュニケーション・ソリューションに特化しています。

GLC社は過去9年の間に急速に拡大し、150社以上のパートナとのネットワークを構築するとともに、約5,000 SKUの製品レンジを構築してきました。業務の運営は、会計はQuickbooks、CRMはSAP、そして足りないところを補うExcelなど、システムの寄せ集めで行われていました。事業拡大に伴い、同社は2年前にNetSuiteにアップグレードし、導入以来、顧客数は30%増加し、経常収益は2倍、総売上は3倍になりました。

GLC社のテクノロジー担当責任者であるJohn Robert Tolentino氏に、イノベーションへの情熱、オープン・システムの重要性、そしてCIOが相互運用性を最も重視する理由について伺いました。


JR Tolentino | GLC
“(CIOは)しっかりとコミュニケーションが取れる人でなければなりませんし、チームに影響を与えられる人であることも重要です。” JR Tolentino氏 GLC社 テクノロジー担当責任者

Q&A

ご自身の役割について説明していただけますか?

JR Tolentino: この仕事にはたくさんの役割があります。1つは社内オペレーションで、GLCの社内エンタープライズ・アプリケーションは私のチームが管理しており、販売や導入プロジェクトのテクノロジー・サポートも行っています。もう1つの大きな役割はイノベーションです。

ご自身の主要な責務は何ですか?

Tolentino: 現在はイノベーションの方により力を注いでおり、私の職責の約80%を占めています。これには、既存の必要最低限の機能を備えた製品(MVP)であるTelavi Cloudの上に構築するさらに価値のあるコンポーネントを開発するための、NetSuiteのようなパートナとのミーティングが含まれます。

最も密接に働く関係者は誰ですか?

Tolentino: 現在、私は社長と一番密接に働いています。実際のビジョンは彼から出ていて、私達はそのアイデアをテクノロジー面で実現することを試みます。その後、これを営業の関係者と一緒に検証していきます。自分たちが作成しているものが独りよがりになっていないか確認するためです。基本的には、できるかぎり市場での検証を行いつつ、開発期間を短縮してできるだけ早く製品を市場に投入することを目指しています。

会社から求められている具体的なターゲットや目標がありますか?

Tolentino: 四半期ごとに新製品を展開することを目標にしています。

自分で定めている具体的なターゲットや目標がありますか?

Tolentino: 新規顧客の獲得に加えて、私が重視しているのは顧客の維持です。これは弊社製品が必要最低限の機能を備えた製品(MVP)であり、Telaviはまだ大きなブランドではないため、製品の評判を大切にしたいと考えているためです。顧客に喜んでもらえるように、サポート・チケットを減らしてSLA(サービス品質保証)を改善することが自分の業務上の目標となります。

会社や顧客、同僚のためにどのような役割を果たしていますか?

Tolentino: 顧客にいっそうパーソナライズされた体験をしてもらえるように努力しています。可能なかぎり、顧客のニーズを満たすサービスやソリューションを提供するよう心がけています。顧客に喜んでもらうことが、最終的には会社全体の成功につながるのです。

ご自身の役割を果たす上で最も重要なソフト・スキルを3つ挙げていただけますか?

Tolentino: テクノロジーに対する情熱は必須です。常にアンテナを張り、学び、最新情報を把握している必要があります。そして、その情熱と興奮によって、問題点と解決策の間のギャップを埋める必要があります。また、勝利に向かって前向きに取り組む姿勢も必要です。それにより、知識があればある程度のところまではいけますが、競合他社に対する自分の強みを知る必要もあります。

ご自身の役割を果たす上で最も重要なハード/技術スキルを3つ挙げていただけますか?

Tolentino: クラウド・テクノロジー、自動化、ソリューション・アーキテクチャに関するスキルだと思います。自社のビジネス・インフラのみでなく社外の既存のインフラについても知り、相互運用性を管理できるようにする必要があります。

この10年の間にCIOの役割はどのように変わってきましたか?

Tolentino: この役割がビジネス全体の意思決定に関わることが多くなりました。以前はもっとサイロ化されていました。

このような変化が生じた最も大きな原因は何だと思いますか?

Tolentino: どこにいても顧客にサービスを提供できることが重要だと思います。オンプレミスであるがゆえに組織の外からシステムを利用できないのであれば、再考の余地があります。モビリティを確保し、しかも安全にシステムにアクセスできるようにする必要があります。これらは現在、CIOがテクノロジーを選択するにあたっての主要な考慮事項となっています。

この進化にテクノロジーの発展はどのように関わってきましたか?

Tolentino: デジタル・トランスフォーメーション(DX)によってCIOはさらに戦略的になることができ、必要な実践的技術スキルはますます減っています。つまり、イノベーションにいっそうフォーカスする余地と必要があるということです。CIOはすぐに進捗の明確なロードマップを作成し、経営陣や関係者にそれを実行してもらう必要があります。

CIOにとって、ビジネスの仕組みを理解することがいっそう重要になってきているということですか?

Tolentino: はい、そのとおりです。以前は、CIOは新しいもの、たいていは最新で最も高価なテクノロジーを導入する傾向にありました。しかし今では、ソリューションを選択することや製品を設計するためにはビジネス面を理解する必要があります。どのように製品を販売するかを理解し、長期的に利益が出るかどうかを知る必要があるのです。

今日のCIOは、過去にはそれほど重要視されていなかったやり方でしっかりとしたコミュニケーションが取れるようでないといけないと思いますか?

Tolentino: そうですね、しっかりとコミュニケーションが取れる人でなければなりませんし、チームに影響を与えられる人であることも重要です。CIOはビジネスの要求に応えられるようでなければならないため、テクノロジーの点で組織全体の成功をもたらすためにこれは欠かせません。このプロセスにおいては明確なコミュニケーションが重要です。

新しいテクノロジーを選択するプロセスについて説明していただけますか?

Tolentino: まず、目的にかなっている必要があります。これはつまり、対象範囲内において満たす必要がある一連の要件があると言うことです。もし対象範囲外であれば、それは「あればよい」ものだということです。目的に合うようであれば、そのテクノロジーを選択します。そこから、使用に適しているかどうか、どの程度の期間で使用可能になるか、導入とサポートにどれくらいの費用がかかるかを判断します。もし他のテクノロジー・ベンダーと提携するのであれば、そのアプリケーションのビジョンと使用期間が、テクノロジー・パートナとして自分たちの要求を満たせるものであることを確認したいと思います。最後に、テクノロジー・ソリューションはパーソナライズされたものである必要があります。私達には独自のポリシーと手順があるため、システムを自分たちの使用法に合うようにカスタマイズできることが必要です。

テクノロジーの購入においてCIOが果たす役割は近年変化してきましたか?

Tolentino: この役割がビジネス全体の意思決定に関わることが多くなりました。

御社では、従業員や顧客により良いサービスを提供するための手段として、テクノロジーにどの程度まで期待していますか?

Tolentino: テクノロジー・システムの統合は、ビジネスの効率化と顧客向けのパーソナライゼーションの推進に役立ちます。NetSuiteと当社のTelavi Cloudコミュニケーション・プラットフォームの統合により、顧客情報に直接アクセスして顧客の体験をパーソナライズすることが可能になりました。顧客へのサービスのみでなく、このパーソナライゼーションは営業やアフター・サポートが顧客にアプローチする際にも役立っています。また、NetSuiteによって真の単一ソースを手に入れられたことも実感しています。一元管理されたシステムのおかげでレポートの数字における不正確さがなくなり、プロジェクトについて他の人に尋ねる必要もなくなりました。

NetSuiteのようなオープン・システムを導入することにはどのようなメリットがありますか?

Tolentino: CIOはビジョンを持っているからこそイノベーションが必要なのですが、この点でオープンなシステムがあることは助けとなっています。実際、NetSuiteとTelaviでTelavi Connectという新製品を作成できました。これはCRMベースのシステムで、現在顧客向けに販売していますが、ユーザビリティと相互運用性の高いオープンなシステムによって顧客の要望に応えることができています。

オンプレミスと比べて、クラウドを使用することの最大のメリットを挙げていただけますか?

Tolentino: オンプレミス・ソリューションをサーバーとともに導入するコストは非常に高く、クラウドと比べて設備投資の費用がかさみます。また、どこにいても顧客にサービスを提供できることも重要です。オンプレミスであるがゆえに組織の外からシステムを利用できないのであれば、再考の余地があります。モビリティを確保し、しかも安全にシステムにアクセスできるようにする必要があります。これらは現在、CIOがテクノロジーを選択するにあたっての主要な考慮事項となっています。

オンプレミスやレガシー・システムからNetSuiteへの乗り換えを検討しているCIOに対して伝えたいことがありますか?

Tolentino: 自分たちのゴールと目標を明確にする必要がある、ということです。そのうえで概念実証を行い、NetSuiteを試してみてください。多額の設備投資や、独自のデータ・センターの設置とそれに伴うメンテナンス・コストは不要だからです。

切り替え以降、業務にどのように目に見える改善が現れましたか?

Tolentino: NetSuiteによってTelavi Cloudプラットフォームとの連携が可能になり、効率を高めるとともに、ビジネスに多大な価値を追加できました。以前は、見積を作成するために別々のスプレッドシート、別々のファイル、別々のシステムを調べる必要があり、承認プロセスも手動で繋がりがありませんでした。NetSuiteにより、これらの異なるシステムすべてが1つにまとまりました。

NetSuiteでコラボレーションはどのように改善されましたか?

Tolentino: 以前はスプレッドシートを多用していたために、リアルタイムで正確なデータを得ることができませんでした。経営陣にとってこれがあることは本当に重要であり、NetSuiteはきわめて重要な役割を担っています。今ではオンデマンドでレポートを作成して見ることができるため、コラボレーションや意思決定の改善に役立っています。

CIO志望者にどのようなアドバイスをしたいですか?

Tolentino: テクノロジーに対する情熱が必要です。自分の強みを見極め、自分より優れた人を雇い、彼らから学ぶことです。CIOは生涯を通して学習を継続していく旅のようなものです。

今後CIOにとってどのようなスキルがいっそう重要になっていくと思いますか?

Tolentino: ビジネス感覚です。ビジネスの仕組みを学ぶならそこからモデルを作成でき、そのモデルは検討対象となっているどのようなテクノロジーにも適用できます。

CIOの役割は今後も発展していくと思いますか?

Tolentino: テクノロジーは発展し続けているため、役割は確実に大きくなっていきます。しかし、CIOは引き続き新しいものに目を光らせ、ビジネスをサポートするための新しいモデルやソリューションを開発していく必要があることに変わりはありません。

IDC InfoBrief

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