在庫と会計

在庫と会計


在庫データは、在庫管理システムや販売管理システムだけではなく、財務会計システムにも、関わってくることがわかります。そこで、在庫金額がどのように会計上に反映されているかをご説明します。

まず、最初にPLからはじめましょう。仕入れた商品は、売上計上されてはじめて、「商品仕入高」として売上原価科目に計上されることは、すでにお話しました。売上計上前の在庫として存在する商品は、PL上は、「期首商品棚卸高」、「期末商品棚卸高」として売上原価科目に計上されます。棚卸の意味を既に理解されている皆さんは、読んで字のごとく、これらが、会計期間の初めと終わりの時点での棚卸に基づく在庫金額だとおわかりになるでしょう。これまでは、売上原価=商品仕入高、というふうに単純に説明しましたが、本当の売上原価は、これらの在庫に基づく金額を加味して、以下のように計算されます。

売上原価=期首商品棚卸高+(当期)商品仕入高-期末商品棚卸高

例えば、2004年3月末の棚卸で計算された在庫金額が1,000万円、4月に仕入れた商品の金額が2,000万円、4月末の棚卸で計算された在庫金額が900万円だとすると、4月の売上原価は、2,100万円になります。このようにして、在庫金額がPL上に反映されます。

次に、BSにうつります。在庫とは企業の資産であるというお話は既にしていますが、具体的には、「商品(製品)」、「仕掛品」、「原材料」として流動資産科目に計上されます。仕掛品(しかかりひん)とは、主に製造業で発生する在庫の種類で、工場で生産している途中のものをいいます。たとえばIT業界では、開発途中のソフトウエアを、それまでにかかった工数に基づいて金額計算して、仕掛品として計上する場合があります。

それでは、企業にとって資産としての在庫は、どういう意味をもつのでしょうか。単純に考えると、在庫が多ければ多いほど、機会損失は減るし、売上原価も減るし、資産も増えるので、良いことばかりのように思えます。しかし、現実はそうではなく、在庫が多すぎるということは、会計(企業業績評価)の観点から見ると、主に2つの理由で、良くない状況と見なされます。

仕入は現金で行いますから、在庫が多いということは、仕入れに使った現金が売上として企業に戻ってきていないということを意味します。現金が少なくなると、企業は借金をすることになりますから、負債が増えるということにもつながります。つまり、在庫の多すぎる企業⇒現金の少ない企業⇒借金体質の企業⇒あぶない企業という見方がされることになります。これが、1つ目の理由です。

2つ目の理由としては、在庫は時間とともに金額が目減りしていくということです。棚卸のところでも出ましたが、在庫金額は、置いておくだけでは減っていきます。キズがついたり、賞味期限を過ぎた商品は在庫(=資産)としては価値がなくなります。また、土地や建物といった資産は、年月がたつと評価金額が変わりますので、会計上の資産金額も、再評価して、下がったときは損失となります。在庫も同様に、商品の市場での価値が下がった場合、例えばパソコンが売れ残って1年たってしまったら、そのパソコンの在庫としての金額は、再評価して下げなければいけません。このように、在庫の多い企業は、在庫金額の再評価による損失が高額になり、利益の出ない企業と見なされます。

そこで、企業としては、機会損失と売上原価の低減のメリットも出しつつ、無駄な在庫は持たないという、「在庫の最適化」を目指すことになります。

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