ERPシステムは、経理、製造、調達、営業など、従来サイロ化されていた部門からのインプットを集約する中央データベースを利用して、ビジネスプロセスを自動化し、インサイトを提供します。そのメリットは大きく、手作業の削減、生産性の向上、コストの削減、より正確なレポート作成などがあります。手頃な価格のクラウドベースのソフトウェアの登場などの技術革新により、今では中小企業も同様にERPを使用できるようになりました。

会計アプリケーションを使用してスプレッドシートを作成・管理する経理担当者が、別のデータベースを使用する営業担当者と一緒に仕事をしている中小企業を例にとってみましょう。このシナリオでは、データ入力の重複、エラー、遅延などが発生する可能性が高まります。ERPシステムを使用すれば、経理担当者と営業担当者の両方が同じシステム内で作業できます。そして一元化されたデータベースから最新かつ同じの情報を簡単に得ることができます。さらに多くの場合、最新のERPシステムには、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、人工知能(AI)、機械学習(ML)などの先進技術が組み込まれてています。これらを活用することで、企業はよりインテリジェントに、生産的かつ収益性の高い業務を行えるようになります。

ERP自動化とは

ERP自動化とは、調達、会計、データ管理、在庫管理など、ERPシステムに統合された従来のビジネス・プロセスをすぐに自動化できることを指します。もう1つの定義は、より将来を見据えたもので、AI、ML、RPA、モノのインターネット(IoT)などの最新テクノロジーをERPシステムの機能や特徴に適用し、より高度な自動化と深いインサイトを提供する方法を指します。いずれにせよ、ERP自動化の目標は、時間のかかる手作業を自動化し、エラーを減らし、生産性を向上させることです。情報へのリアルタイム・アクセス、ビジネス・プロセスの自動化、意思決定の改善をサポートするインサイト生成などがこれらを可能にします。

要点のまとめ

  • 自動化されたERPシステムは、サイロ化されたプロセスを統合し、データを一元化して組織全体の連携を促進します。
  • 最新のERPシステムは、最先端テクノロジーを使用して時間のかかる手作業を自動化することで効率を高め、コストを削減し、生産性と精度を向上させます。
  • ERP自動化は、人工知能、機械学習、モノのインターネット・デバイスなどの最新テクノロジーを定期的に導入するための基盤を企業に提供します。
ERP Automation
ERP自動化により、繰り返しの手作業やエラーが生じやすい作業の必要性を減らすことで、ワークフローのあらゆる段階で生産性と利益率を向上させることができます。

ERP自動化の説明

自動化されたクラウドベースのERPソフトウェアは、散らかったデスクやファイルでいっぱいの倉庫から、すべてのビジネス機能をまたいで合理化された業務へとシフトできるよう企業を促します。これにより、すべての従業員が必要なデータに安全にアクセスできるようになります。ERP自動化は、社内ポリシーや外部の政府・財務規制へのコンプライアンスを確保するためにも使用できます。これにより、企業は自信を持って事業運営を最適化し、今日の競争市場で必要な高い水準を維持することができます。さらに、簿記担当者や会計士は、ERP自動化を活用して、月末の締めをスムーズで手間のかからないプロセスへと変えることができます。スプレッドシートへのデータの入力や、複数のアカウントやステートメント間の情報の照合など、無限にも思える手作業の代わりに、ソフトウェアで生成された財務レポートを使用することができます。

例として、サイロ化された運用に悩むメーカーが、自動化されたERPシステムによってどのようにビジネス・プロセスを効率化し、統合できるかを見てみましょう。ある顧客が信用払いで注文をしたいとします。従来の業務の流れでは、まず顧客が営業担当者に電話をかけます。そしてその担当者が手作業で必要な情報を倉庫に転送し、倉庫担当者が注文を処理します。ここでは注文を満たすのに十分な在庫があると仮定します。注文が配送されると、売掛金担当者が代金を回収するためのプロセスを開始します。

自動化されたERPシステムでは、顧客はeコマースサイトからリアルタイムで在庫データにアクセスし、オンライン注文を行います。その後、注文情報は自動的に倉庫に転送されます。ピッキング、出荷が完了すると、顧客は、オンライン・アカウントで出荷を追跡できるようになります。また、オンラインで請求書を支払う方法やタイミングについての詳細が更新されます。請求書が支払われると、ERPシステムはキャッシュフローを追跡し、支払いが正しい勘定科目に適用され、財務記録に正確に表されることを確認します。発注書、納品見積、価格、入金伝票など、関連するすべてのデータは自動的に相互参照され、正確性がチェックされます。これにより、複数の関係者が各段階で繰り返しデータを入力する必要がなくなります。また、自然災害による予期せぬ在庫不足など、何らかの問題が発生した場合は、関係者全員に一斉に通知されます。これにより適切な対応が可能になります。ERP自動化により、顧客からの支払いが間違った口座に適用されたり、注文が誤って出荷されたりする可能性が低くなるため、メーカーは時間とコストを節約できます。

ERP自動化の利点

Gartnerによると、ERPソフトウェアは企業向けソフトウェア支出の中で最大のシェアを占めており、2021年には世界全体で総額444億ドルに達する予想をしていました。ERP自動化は、企業の主要なビジネス・プロセスのほとんどをカバーしているため、ERPから得られる利点は相当なものになります。ここでは、ほぼ世界共通と考えられる利点をいくつか紹介します。

  • 人的ミスの削減: データを手作業で入力するたびに、人的ミスのリスクが高まります。一日中手作業でデータを入力している経理担当者やその他の従業員の場合、燃え尽き症候群のリスクはさらに高まります。そこで、ERPシステムにRPAを適用することが有効になります。RPAは、ボット(BOT)と呼ばれるソフトウェア・プログラムを使用し、反復的で面倒な作業を自動化することで、人的ミスを減らし、コストのかかるエラーを防ぎます。
  • コストの削減: 企業が成長するにつれ、事業運営に必要なタスクも増加します。ERPシステムを使用してワークフローの一部を自動化することで、従来大規模なチームを必要とした作業を、より少ない人員で成し遂げることができます。新規雇用を増やす代わりに、企業は自動化を使用して少ない従業員の効率を高めることでコストを削減できます。自動化はまた、他のコスト削減策の発見にも役立ちます。例えば、より効果的な在庫管理により、輸送コストを削減することができます。
  • より簡単かつ正確なレポート: ERPシステムは、電子記録を自動的にスキャンし、リアルタイムのレポートや重要業績評価指標を迅速に作成するように設定できます。これにより、従業員はレポートを完成させるために必要な情報を書類の山から探し出す必要がなくなります。これは、管理者が成果を追跡し、必要に応じて調整を行うために利用する売上高や生産率、その他の指標において、ビジネスが目標を達成していることを確認するのに役立ちます。
  • 生産性の向上: 繰り返しの多い煩雑な作業を完全に排除、または減らすことで、従業員は、人間が関わる必要がある、より価値の高い優先事項に集中することができます。例えば、直接的な顧客とのやり取り、問題解決、会社の成長に関連するプロジェクトなどがこれにあたります。また、一元化されたデータベースを備えたERPシステムは、社内各部署のデータへのアクセスを簡素化し、生産性と効率をさらに向上させます。
  • 企業責任の向上: 環境保護を目標とする企業にとって、より強力なビジネス・テクノロジーに投資することが、目標の達成に役立つとは考えにくいかもしれません。しかし、ERPシステムは環境面でも利点があります。例えば、ERPの自動化により、企業はペーパーレス化を実現できます。これにより、オフィス内の効率が向上し、請求書や支払書などの紙トランザクションが減少するため、二酸化炭素排出量が削減されます。また、ERPシステムは収集したデータを活用して、製造中止やオフィス閉鎖期間のリモートワークを戦略的にスケジュールします。これにより、企業は社会的影響をより管理できるようになります。
  • リアルタイムの正確性: 正確なデータとは、単に正確に記録された情報でなく、最新かつ利用可能で、コンプライアンスに準拠したものでなくてはなりません。意思決定者は、有望な製品ラインを拡大する前に、販売データを確認して需要を予測したいと考えるかもしれません。しかし、そのデータの集計と分析に1カ月もかかるようでは、マネジャーのももとにレポートが届く前に、流行商品の波に乗り遅れてしまうかもしれません。ERP自動化により、データが強固で最新のものとなることで、競合他社に先んじ、迅速かつ効果的に戦略を調整することができます。また、ERPシステムは、データが社内ポリシーや外部の政府・財務規制に準拠していることを自動的に確認します。

ERP自動化の事例

一部の中小企業では、特定のタスクを自動化したり、よりターゲットを絞ったソフトウェアを導入するだけでも十分だと考えるかもしれません。しかし、企業が成長するにつれて、これらのタスクやその他のタスクをすべて処理できる、より高度な統合システムが必要になります。ここでは、ERPシステムが自動化できる一般的なタスクについてご紹介します。

  • 発注処理: ERPシステムは、顧客と仕入先両方の発注処理を最適化します。例えば、企業が原材料を調達するために発注書を発行したとします。迅速な納品を確保するため、あるいは仕入先が提示した信用条件を満たすために、迅速な代金支払が重要になる場合があります。ERPシステムは、ビジネスのニーズに合わせて、支払いのための承認を自動化するよう、または義務づけるようカスタマイズできます。例えば、ある家具メーカーで、継続的に商品を生産するため木材を安定的に調達する必要があるとします。この場合、毎月の定期注文を設定できます。しかし、化学処理を施した特殊な木材(割高な価格設定)については、供給が少なくなった時点で通知を受けとり、高額な注文をする前に承認を得るよう設定することができます。ERPソフトウェアで発注ルールをカスタマイズすることで、定期的に必要な資材の発注を自動化し、管理者によるチェックが必要な場合に通知を送信するよう設定できます。
  • カスタマーサービス: 自動化が進みすぎると、人間の担当者と話せないことやボットに対する不満が顧客から寄せられることを懸念する企業もあるかもしれません。しかし、カスタマーサービスはどちらか一方である必要はありません。例えば、多くの企業がカスタマーサービスにハイブリッドモデルを導入しています。例えば、営業時間外のAIチャットボットや、営業時間などの簡単な質問に対する電話案内などです。同時に、よりデリケートな問題については、従業員が常駐するカスタマーサービスや営業チームで対応しています。このような組み合わせにより、顧客が期待する人間的なつながりを失うことなく、最新テクノロジーの恩恵を受けることができる、最適なカスタマーサービスが実現します。
  • データ管理: ERPシステムの一元化されたデータベースと安全なデータ管理機能を使用することで、顧客からの電話に対応する権限を持つ従業員は誰でも、そのアカウントの情報にアクセスし、問題解決を支援できます。必要な回答を得るために顧客を3回も4回も転送する必要はありません。満足度の高い顧客はリピーターになる可能性が高くなります。顧客にとって、電話が転送され、アカウント情報を再度伝えてすべてのプロセスをやり直すことほど不愉快なことはありません。一元化されたデータは、カスタマーサービス担当者だけなく、さまざまな部門の従業員の効率的な情報検索を促進します。これにより、ワークフローの他の段階に影響を与えることもなくなります。
  • 財務・会計: ERP自動化によってもたらされる最大のメリットの1つは、財務・会計に関連するものです。自動化により、人的ミスを最小限に抑え、ビジネス全体のデータを即座に相互参照できます。例えば、発注書と買掛金残高を照合したり、売掛金と請求書を相互参照したりすることは、簿記担当者にとっては面倒で時間のかかる作業です。しかし、ERP自動化により、かつては数日かかっていた作業が数分で済むようになり、より透明で正確な会計処理も可能になります。正確な帳簿は、不正を防止し、ビジネスの最も重要な側面である「資金」に関するデータの透明性を保ち、すべての監督者がアクセスできるようにします。
  • 在庫管理: ビジネスが商品を過剰に生産すれば、売れ残るかもしれない商品を作り、不必要な保管費用を支払うことになります。一方、生産量が少なければ、顧客はバックオーダーや遅延に悩まされることになり、他社に乗り換える可能性も高くなります。ERPシステムは、企業がより正確に需要を予測し、効果的な 在庫管理戦略を計画するために使用できるデータを収集します。例えば、ある食品サプライヤーがERPシステムを利用して、過去数年間の包括的な販売レポートを作成した場合、季節的な駆け込み需要の際にも効果的に増産バランスをとることができます。賞味期限切れで売れ残る商品を過剰生産する必要はありません。

ERP自動化のトレンド

RPの統計によると、近年、ERPシステムを導入する企業の種類が増えています。これは、データ収集、ダッシュボード・インターフェース、標準化設計、モバイルデバイス・サポート、操作性などにおいて、システムが着実に進化しているためです。こうした進化と並行して、ERPベンダーは自社のソリューションに先進的なテクノロジーを取り入れ始めています。これにはクラウド、AI、MLが含まれ、ERPの自動化と使いやすさがさらに向上しています。

ERPシステムをオンプレミスで運用することを好む企業もありますが、特に中小企業にとってはコスト的に厳しい場合があります。その理由は、大規模な設備投資と継続的な社内ITメンテナンスが必要になるためです。その代わりに多くの企業は、ERP導入に際しクラウドベースのSaaS(Software-as-a-Service)モデルを選択しています。こうすることで、メンテナンスやアップデート、改善といった作業を外部の企業(通常はクラウド・コンピューティングのビジネス・ソフトウェア・プラットフォームの運営企業)にゆだねることができます。実際、Gartnerのレポートによると、ERP市場の売上の53%はクラウドベースのERP製品によるものです。一方、オンプレミス・ソリューションによるものは47%となっています。さらにガートナーは、2024年までに製品ビジネスの60%以上がクラウドベースのERPプラットフォームを使用するようになると予測しています。企業顧客は必要なサービスに対してのみ料金を支払へば良いため、運用コストや設備投資を削減できること、そして拡張性が高いことが理由にあげられます。

効果的なERPシステムは、可視性の維持と、タスクの自動化以上の価値をもたらします。最新のERP自動化は、AIやMLから得られたビジネス・インサイトを業務に適用することで、ワークフローを継続的に改善します。たとえばAIは、大量のデータを分析してインサイトを生成し、ビジネス上の意思決定の改善や新たなトレンドの発見をサポートします。また、在庫の再注文など定型的な業務にAIを活用することで、従業員は人が得意とする業務や自身のスキルアップに専念することができます。一方、機械学習(ML)はERPシステムのデータを分析し、販売データのパターンや傾向を特定します。これらは、将来の需要予測や在庫水準の最適化に活用できます。MLはまた、財務取引の自動分類や照合、潜在的な不正やエラーのフラグ付けなど、ERPシステム内のタスクの自動化にも使用できます。

さらにERPのトレンドとして注目すべきは、企業や子会社の業務に異なるレベルを設ける多階層のERPシステムや、倉庫管理システムやデジタル/ソーシャルメディア・マーケティング・プラットフォームなどの他のテクノロジー・ソリューションを既存のERPシステムに統合できる機能です。

IoTによるERPの自動化

自動化分野のもう1つのトレンドは、IoTデバイスの導入です。IoTデバイスは、センサーとネットワーク接続を備え、インターネットを介して相互に通信し、データを共有し、ユーザーと対話することができます。IoTテクノロジーが組み込まれたERPシステムは、部品、コンポーネント、完成品のステータスに関する情報やアラートを提供することができます。これにより、生産工程の合理化、サプライチェーンの可視化、発注業務の効率化が可能になります。さらに、IoTテクノロジーが収集したデータから、顧客が実際に製品をどのように使用しているかが分かるため、最終的には製品設計の改善にもつながります。

顧客にとってのIoT技術の利点には、問題を早期発見し製品の故障率を低下できることや、稼働していない時間帯に機器の電源を落として運用コストを削減できることなどがあります。IoTテクノロジーは、製品のライフサイクルを監視し、保守や修理が必要になった際に、顧客によるサービスの予約や交換部品の注文を可能にします。また、IoT対応のERPシステムは、注文の更新をリアルタイムで追跡します。

NetSuiteによるERP自動化のメリット

ERPシステムにはカスタマイズ可能な機能やオプションが数多くあるため、ビジネスに適したものを選択することが重要です。オールインワンのクラウドベースのソリューションであるNetSuite ERPは、ビジネス・プロセスを簡素化および自動化することで、従業員がイノベーションと自身の成長に集中できるようにします。NetSuite ERPは、企業がサイロ化した業務を単一のテクノロジー・ソリューションに統合するのに役立ちます。これにより、リーダーは正確かつ最新のデータに基づいてより良い意思決定を行うために必要なツールを得て、競争力を維持できます。また、これらのデータはすべて、カスタマイズ可能なダッシュボードや自動生成された財務・業務レポートで容易に利用可能です。また、NetSuite ERPは拡張性に優れているため、グローバルに拡大している企業、複数の子会社を管理している企業、長期的な成長を計画している企業など、その規模や成長スピードに関係なく、NetSuite ERPはビジネス独自のニーズに応えることができます。

従来、オンプレミスのエンタープライズ・リソース・プランニング・システムに投資するのは、導入および継続的メンテナンスに十分な資金を確保できる大企業に限られていました。しかし、ハードウェアやソフトウェアライセンスへの先行投資を必要とせず、サードパーティのサービスプロバイダーが管理・更新するクラウドベースのERPシステムの台頭により、業務の最新化を目指す中小企業もERPを導入できるようになりました。多くの最新のERPシステムに組み込まれた自動化を使用することで、規模の大小にかかわらず、在庫管理から財務報告、注文処理など、ワークフローのあらゆるステップを改善することができます。また、最新のERPシステムは、AI、ML、IoTなどの高度テクノロジーを使用して、ビジネス・インサイトを提供し、それを業務に適用してワークフローを継続的に改善し始めています。これにより、ビジネスリーダーは、自分たちが最も得意とすること、つまり事業の運営と拡大に集中することができます。

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ERP自動化に関するよくある質問

ERPによる自動化のメリットとは何ですか?

エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)による自動化では、人的エラーとコストの削減、より正確なレポート作成、生産性の向上、企業責任の強化が可能になります。これらはすべて、無駄の削減と円滑な事業運営に貢献します。ERPシステムが、人工知能、機械学習、モノのインターネットなど、より高度なテクノロジーを取り入れることで、ビジネス上の意思決定の改善や新たなトレンドの発見をサポートするインサイトを生成できるようになります。

ERPシステムの主なユーザーは誰ですか?

従来、エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)システムは、オンプレミス・プラットフォームの導入や継続的メンテナンスに資金を投じることができる大企業が主に使用していました。それが現在、クラウドベースのSaaS(Software-as-a-Service)ソリューションが利用できるようになったおかげで、中小企業もERPシステムを利用しやすくなりました。

ERP業界の将来の展望について教えてください。

エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)業界は今後、人工知能や機械学習をこれまで以上に駆使し、より正確な予測や有益な提案を行うようになるでしょう。また、SaaSソリューションとして提供されるクラウドベースのERPシステムが標準となり、企業はビジネスのより多くの側面を単一のERPシステムに統合することになるでしょう。

ERPの例を挙げてください。

エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)システムは、製造や在庫管理プロセスから調達、財務、会計、マーケティングなど、組織全体のビジネス・プロセスを自動化するために使用できます。ERPシステムのユースケースとして、発注を考えてみましょう。例えば、ある家具メーカーで、継続的に商品を生産するため木材を安定的に調達する必要があるとします。この場合、ERPシステムを通じて毎月定期的に原材料を発注するよう設定できます。しかし、化学処理を施した特殊な木材については、供給が少なくなった時点で通知を受けとり、高額な注文をする前に承認を得るよう設定することができます。このように、発注ルールをカスタマイズすることで、定期注文が必要なものは自動化し、人間の管理者の介入が必要なものにはフラグを立てることができます。

ERPはRPAと同じですか?

ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)とは、人間がタスクを完了する際に行う動作を、ボットがソフトウェアで再現する自動化手法です。エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)システムは、自動化タスクの多くにRPAを使用することがあります。しかしERPシステムには、ビジネス・プロセスの統合や、組織全体で使用できる単一の集中データベースなど、より幅広い機能が含まれています。

ERPの5つの構成要素とは何ですか?

エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)システムの主要な構成要素は、財務、顧客関係管理、物流・製造、人事、サプライチェーン・マネジメントの5つです。