企業が新しい顧客を獲得し、新しい市場に進出し、新製品を開発するにつれて、ビジネス全体で何が起こっているかをはっきり把握するのが難しくなります。これは、様々な部門が異なるシステムやデータベースを使用していて、孤立したデータ・サイロが形成されている場合によくあります。集中管理型ビジネス・インテリジェンス(BI)のアプローチは分析のためにすべての情報を1箇所に集めるというもので、これはダイナミックかつ競争の激しい市場において、企業がチャンスを生かし、脅威を排除してリスクを軽減するうえで役立ちます。

集中管理型BI (ビジネス・インテリジェンス)とは

ビジネス・インテリジェンスは、情報を分析するための一連のプロセスとテクノロジです。現在のデータと過去のデータ、さらには予測データまで分析することで、企業はより優れた、より迅速な意思決定を支援するための洞察を集めます。ビジネス・インテリジェンスは、主要業績評価指標(KPI)(opens in a new tab)の監視と改善、サプライ・チェーンの最適化、マーケティング活動の改善、合併および買収戦略の策定、雇用およびリテンション・プランの構築(opens in a new tab)などにも役立ちます。

集中管理型BIは、分析のためのこれらの業務データすべてを保存および管理するために統一的なアプローチをとります。企業はアプリケーションやその他のソースからデータを抽出し、通常は、データ・ウェアハウスと呼ばれる専用のデータ管理システムを使用して単一の場所に格納します。これはオンプレミスの場合もあればクラウドベースの場合もあります。企業によっては、ウェアハウスを管理してビジネス全体のためのレポートや分析モデル、ダッシュボードを作成する専任のBIチームを用意しているところもあります。部長などの意思決定者やアナリスト、その他の多くの従業員がこのシステムの恩恵を受けられます。

集中型と分散型のデータ

集中管理型BIとは対照的に、分散型BIは、企業内の個々の部門またはユニットがそれぞれのデータ分析を管理するアプローチです。それぞれのグループが独自のBIの取組みに資金を投入し、分析のためのデータを格納および管理し、独自の分析ツールを選択します。

どちらのアプローチにもメリットとデメリットがあります。分散型BIアプローチでは、各部門がそれぞれのニーズに合うように分析をカスタマイズすることに集中できます。各部門が集中管理型BIの場合よりも迅速に分析ツールを導入できることが少なくありません。中央のBIチームのリソースを巡って競う必要がないため、より迅速に新しい質問の答えが得られるようになる場合があります。これにより、変化するビジネス条件に迅速に対応できます。

しかし、分散型モデルにはデメリットもあります。その1つは、企業全体のデータを分析することが難しくなることです。また、データが冗長になって一貫性がなくなる可能性があります。さらに、BIロールやプロセス、技術の重複が発生して全体的なコストの上昇につながる可能性もあります。

集中管理型BI戦略(opens in a new tab)により、組織は一貫性のある単一の業務データのセットを作成し、会社全体の最新情報を表示できるようになります。集中管理型アプローチは複数の冗長な部門別BIの取組みに置き換わるものであるため、会社全体の経費も削減できます。また、ビジネス・グループ間のコミュニケーションとコラボレーションが大いに促進されます。

しかし、集中管理型BIシステムの構築には、より多くの費用と時間を前もって費やすことが必要となる場合があります。また、各部門のニーズを満たすためにBIを迅速にカスタマイズすることが難しくなる可能性もあります。さらに、BIの管理チームが異なるグループから競うように来る要求への対応に手を取られて、バックログが発生するリスクもあります。

  集中管理型BI 分散型BI
長所
  • 業務データの単一ビュー
  • 会社全体におけるデータ定義の一貫性
  • スケール・メリット
  • 重複コストなし
  • コミュニケーションとコラボレーションの促進
  • 各グループの要件に合うようにBIをカスタマイズするための高い柔軟性
  • 各BIプロジェクトのための初期費用が安価
  • 迅速な導入
  • リソースと優先度を各部門で決めることができる
短所
  • 最初の導入が遅くなる可能性がある
  • カスタマイズにコストがかかり、かつ現場のニーズへの対応の点で劣る可能性がある
  • プロジェクト・バックログが発生する可能性がある
  • 中央BIリソースを巡る競合
  • 企業全体のデータの分析が難しい
  • プロジェクト、人およびテクノロジの重複
  • 企業における全体コストが高い
  • データの一貫性がない
  • 部門ごとに機能が異なる
  • サイロ思考

要点のまとめ

  • 集中管理型ビジネス・インテリジェンス(BI)は、分析のためにビジネス全体の情報を単一のシステムに取り込みます。また、集中管理型BIシステムでは通常、データは分析用に特化されたデータ管理システムであるデータ・ウェアハウスに格納されます。
  • 企業全体から得た一貫性のある単一のデータセットを分析することで、企業はより優れた意思決定ができます。
  • 冗長な部門別BIの取組みと置き換えることで、集中管理型BIシステムにより全体的なコストを削減できます。また、分散型BIよりも安全かつ管理が容易であり、部門間のコラボレーションも改善できます。

集中管理型BIの概要

集中管理型BIシステムは、組織内のすべての人がよりよい情報に基づく意思決定をするうえで役立ちます。経営幹部に加え、すべての部門の従業員が、一貫性のある完全な情報に基づいてレポートを実行し、ダッシュボードを表示し、洞察を共有できます。

集中管理型BIは、分散型アプローチに比べてデータの保護と管理も容易です。データは単一の大規模なデータ・ウェアハウスに格納されるため、一般的には部門ごとのアプリケーションやファイルにばらばらにデータを格納するよりも安全です。主要なBIシステムは従業員の業務役割に基づいたデータのアクセスコントロールをサポートしており、従業員は自分が閲覧を承認されたデータのみにアクセスできます。

集中管理型BIの仕組み

集中管理型BIのアプローチは通常、分析用に特に設計されたデータ管理システムであるデータ・ウェアハウスに依存しています。これには、ビジネス・インテリジェンスに関連する会社全体のデータや部門データ、および社外から収集したデータがすべて格納されます。主要なデータ・ウェアハウス・ソリューションには、分析ツールや一般的に使用されるデータ可視化ツールが組み込まれています。中央のBIチームは、様々な社内システムや社外ソースからデータを収集し、そのデータを共通の構造に変換してデータ・ウェアハウスに読み込みます。

多くの組織では、このチームがBIツールを管理し、各ビジネス部門に応じたレポートやビジュアライゼーション、ダッシュボードを作成します。会社全体の管理職やアナリスト、その他の従業員が、この情報を表示および分析、アドホック・クエリー(opens in a new tab)を実行できます。そのため、専門的な分析スキルを持たない人を含め、幅広い人がBIを利用できるようになります。

BIを一元化する理由

集中管理型BIがないと、価値のある情報が部門のシステムにしまい込まれてしまい、その部門以外の人がアクセスできなくなってしまうおそれがあります。このような情報サイロにより、意思決定者が会社全体で何が起こっているかを理解してダイナミックな市場に迅速に対応することができなくなる可能性があります。

企業は苦労して様々なシステムから情報を集め、分析のためにスプレッドシートにまとめる必要があるもしれません。この作業には数週間かかる可能性もあり、そうなると分析対象の情報は常に最新ではないということになります。

情報サイロもまた、各部門がそれぞれの役割を果たすうえでの妨げになることがあります。たとえば、財務グループは、正確な財務レポートや予測を作成するために、様々な製品グループからの情報をまとめるのが難しく、時間がかかると感じるかもしれません。

BIの一元化により、こうしたデータ・サイロは本質的に解消されます。これにより、信頼できる最新の情報を会社全体で全従業員が利用できるようになります。業務データを集約する最も一般的な方法の1つは、エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)ソフトウェアを使用することです。ERPプラットフォームは、サプライ・チェーンや倉庫、CRMなどの分野からデータを収集し、問題やトレンド、機会を識別するのに役立つとともに、基礎となるデータにドリル・ダウンする機能を備えています。

集中管理型BIのメリット

集中管理型BIは、応答時間の短縮からコストの削減、セキュリティの向上まで、幅広いビジネス上のメリットをもたらします。また、全員が一貫性のある同じ一連の情報をもとに作業することで、部門間の連携やコラボレーションも促進されます。

  • アジリティの向上: 顧客ニーズの変化、新しい競合、経済状況の変化などに迅速に対応する能力が、ビジネスの成否を左右する場合があります。集中管理型BIにより、管理職と従業員は会社に関連する情報をさらに全面的に把握できるようになり、より迅速に対応できるようになります。

  • 生産性の向上: 集中管理型BIにより、従業員がデータから洞察を得るために、手作業でスプレッドシートを操作することや複数の情報ソースを扱うことに時間をかける必要がなくなるため、生産性が向上します。

  • ナレッジ共有の向上: 集中管理型BIモデルにより洞察を導き出すための社内共通の情報基盤が作成されるため、部門間のナレッジ共有が促進されます。

  • コミュニケーションとコラボレーションの向上: 企業全体で利用できる信頼性の高いデータは組織の文化を変えることができます。集中管理型BIソリューションは複数の部門まとめて、より優れたコミュニケーションとコラボレーションへの道を開きます。

  • 労力とコストの重複排除: 一元化により、スケール・メリットが生み出されるとともに担当者やテクノロジの重複を排除できるため、コストの抑制に役立ちます。

  • データ保護とデータ管理の強化: データへのアクセスや権限を一元化することで、データのセキュリティやプライバシの管理が容易になります。

集中管理型BIの課題

集中管理型BI戦略には多くの利点があるものの、考えられる短所を考慮することも重要です。企業は、各部門のニーズへの対応が不十分であるといった、不満や社内の摩擦を招きかねない潜在的な問題を防ぐ必要があります。ここではより一般的な課題とそれに対処する方法を紹介します。

  • 潜在的なBIボトルネック: 集中管理型BIの管理部門の人数が少なすぎる、またはBIインフラが不十分な場合、ビジネス・グループが新しいレポートや分析モデルを迅速に取得する妨げとなることがあります。管理部門には、様々な部門からの要望に迅速に対応できるだけの十分な人数が必要です。

  • 拡張性: データ・ウェアハウスとBIツールもやはり、組織のニーズの拡大に応じて拡張できる必要があります。このような理由により、企業の多くはニーズの拡大に応じてコストと時間の要するアップグレードが必要となるオンプレミスのソリューションではなく、必要に応じて拡張できるクラウドベースのデータ・ウェアハウスを選択します。

  • カスタマイズ性やローカライゼーションの低下: 独自のBIニーズとシステムを管理することに慣れているビジネス・グループは、特定の要件のためにカスタマイズされていない集中管理型BIシステムに不満を感じることがあります。様々なビジネス部門の意見を取り入れて業務分掌に対応するレポートを作成することにより、集中管理型システムの価値を認識してもらうことができます。

  • 設定時間とコストの増加: BIの一元化にはビジネス全体においてすべての人のニーズを満たすソリューションを構築することが求められるため、時間や多額の先行投資が必要になる場合があります。最終的な目標やプロセスの利点の一部を伝えるとともに、早い段階でリーダーからの賛同を得ることで、移行をスムーズに進めることができます。

集中管理型BIから最も恩恵を受けられるのは誰か?

会社全体でデータを共有する必要があるほとんどの企業は、集中管理型BIの恩恵を受けられます。意思決定者は企業全体からの一貫性のある正確な情報を頼りにできるため、いっそう確信を持って情報に基づいた決定を下すことができます。財務担当者は最新の情報に基づく予測を迅速に作成できます。マーケティング部門は、複数の販売チャネルや製品グループからの詳細情報を利用して、より適切に顧客ターゲットを絞ることができます。また、データや洞察を共有することで、部門間のコミュニケーションやコラボレーションの促進を図れます。

また、データ保護やセキュリティを懸念する企業にとっても、集中管理型BIは有効です。主要なデータ・ウェアハウスとBIツールを使用することで、強力なセキュリティとすべてのデータに対するアクセス制御を適用し、ハッキングや情報漏洩のリスクを低減できます。集中管理型BIモデルにより、BIが分散型である場合に膨れ上がりがちな、人やプロセス、テクノロジへの重複した投資を排除でき、資金を有効活用できます。

集中管理型BIについての誤った通説

集中管理型BIにはメリットとデメリットがありますが、問題を混乱させ、集中管理型BIが自社に適しているかの判断を難しくするような、よくある誤った通説も存在します。ここでは集中管理型BIについてよく耳にする誤った通説と真実のいくつかを紹介します。

通説: 集中管理型BIは、派手なレポートやダッシュボードの寄せ集めに過ぎない。

真実: 集中管理型BIシステムにより魅力的なレポートやリアルタイム・ダッシュボードを作成できますが、集中管理型BIの真価は組織全体からデータを取り込む能力にあります。組織内のだれでも利用できる、データの中央リポジトリが提供されます。

通説: 集中管理型BIは導入にコストと時間がかかりすぎる。

真実: 集中管理型BIの機能とインフラの構築に時間とコストがかかるのは事実ですが、比較的早くにそれなりの投資収益率を達成できます。集中管理型プラットフォームの設定にかかる時間は、通常は年単位ではなく月単位です。データ・ウェアハウスによっては主要な業務システムと統合されており、あらかじめ分析ロジックやレポートが事前作成されているため、企業は運用データをウェアハウスに迅速に移動して、より簡単に分析できます。

通説: 自分たちには集中管理型BIに移行するためのスキルが足りない。

真実: 大規模なテクノロジ・プロジェクトには確かにスキルが必要です。しかし、システムの選択から導入、変更管理、教育まで、円滑に進めるための専門知識を提供できるコンサルタントやベンダーが多数存在します。

通説: 集中管理型BIは常にボトルネックになる。

真実: BI管理部門やBIのテクノロジが会社のニーズを満たすうえで十分でない場合、設計が不十分な集中管理型BIがボトルネックになることがあります。しかしそれは分散型BIも同じです。一元化を効果的に進めることによってビジネス・インテリジェンスの価値は高まり、潜在的な問題も解消されます。これにより、担当者が一貫性のあるデータおよび定義にアクセスでき、一貫性のあるデータ・セキュリティとアクセス制御が確保され、全員に共通のレポートと分析機能のスイートが提供されます。

集中管理型BIの例

どんな規模の、そしてどんな業種の企業であれ、集中管理型BIを利用してビジネス・パフォーマンスを向上させることができます。企業によっては、社内でBIを利用することに加えて顧客に対してBIツールを提供しているところもあります。次にその典型的な例をいくつか示します。

  • 高品質の洗面用具やギフト・セットの卸売販売業者である英国のBaylis & Harding社は、管理者や経営幹部がしっかりとした情報に基づいた判断を下してビジネスを成長させられるように、業務データの可視性を高める必要がありました。同社はビジネス・インテリジェンス・ソリューションをNetSuite ERPと組み合せて使用することで、社内のIT部門に依頼しなくても管理者や経営幹部が自分ですぐにレポートを作成できるように(opens in a new tab)しました。管理者はダッシュボードやレポートを使用してビジネス・パフォーマンスのトレンドを把握し、あとから対応するのではなく、事前に対応できるようになりました。

  • スウェーデンの工業製造業者であるSKF社は、ベアリングやシールなどの製品を130か国以上で販売しています。このように多種多様な製品および市場に対応する必要があるため、同社は一貫性のある正確な需要予測を行い、それに基づいて製造を調整する必要があります。以前は、同社の分析担当者が複雑なスプレッドシートにデータをまとめて調整することで予測を作成しており、この不満のたまるプロセスは完了までに数日かかることも珍しくありませんでした。SFK社は信頼性の高いビジネス情報の単一リポジトリを使用してBIを一元化する(opens in a new tab)ことで、予測のためのデータの集計や、営業、製造計画、アプリケーション設計、ビジネス開発といった部門間での情報共有を迅速に行えるようになりました。

  • Sabre Airline Solutions社は旅行業界向けに予約や収益管理、その他のツールを提供しています。同社の顧客である旅行代理店は、競争が非常に激しい市場において、顧客の行動を分析して収益を増やすためのツールを必要としていました。Sabre社は膨大な量のデータをトラベル・データ・ウェアハウスに集めました。また、レポート作成機能やダッシュボードを顧客に提供することで、代理店が収益チャンスやコスト削減の方法を見分け、パフォーマンスをベンチマークし、法人顧客に詳細な支出レポートを提供できるようになりました。

集中管理型BIと分散型BIの選択

BIアーキテクチャの選択は、組織の文化や構造に依存する部分があります。多くの企業にとっては、集中管理型BIが論理的な選択となります。組織全体からの情報をまとめられることに加え、集中管理型アプローチによってデータの管理とセキュリティ保護が容易になります。さらに、分散型環境で発生する可能性のある、BIソフトウェアやスタッフ、アプリケーションの重複を防ぐことができます。ERPソフトウェアによりデータを一元化し、洞察に満ちたレポートの作成および分析機能を備えた組込みのリアルタイム・ダッシュボードを提供できます。

しかし、大部分が独立したビジネス部門の集合体として運営されており、情報を共有する必要がほとんどない組織では、分散型BIのほうが適切である場合があります。頻繁に他の企業を買収する企業や、まったく新しい事業を始める企業の場合、分散型BIのアプローチのほうが、各部門で迅速に分析を行い、新しい潜在的な機会を活用するのに役立つという場合もあります。

組織によっては、両方のアプローチの側面を組み合せたハイブリッド・モデルを採用することが理にかなっています。1つの戦略は、データを一元管理して組織全体のデータの一貫性を確保しつつ、個々のビジネス部門にはそのデータを分析する際により高い自由度を与えるという方法です。別のソリューションは、組織のすべてのデータを中央データ・ウェアハウスに集め、そのデータのサブセットをデータ・マートと呼ばれるもう少し小さい部門用の分析データベースにコピーすることです。これにより、各部門はそれぞれのデータ・マートでデータを分析できます。

まとめ

企業のデータ分析を支援するビジネス・インテリジェンス・ソリューションは、ビジネス・パフォーマンスを劇的に向上させることができます。集中管理型BI戦略は、そのメリットを飛躍的に高め、組織全体の分析とコラボレーションを促進し、ダイナミックなビジネス環境における企業の歩みを支援します。

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集中管理型BIのFAQ

業務データをどうすれば一元化できますか?

データ・ソースを統合し、データを一貫性のあるフォーマットに加工して中央データ・ウェアハウスにデータを移動することで、業務データの集中管理型リポジトリを作成できます。その後、このデータを分析することでビジネス・パフォーマンスを包括的に把握できます。

集中型データベースと分散型データベースとは何ですか?

集中管理型BIモデルには、データ・ウェアハウスとして知られる中央データベースに組織の業務データを格納して管理することが関係しています。集中管理型BIモデルにより、いっそう高いデータの正確性と真実性、保護が保証されます。

分散型BIでは、組織の業務データの保管と管理は各部門や各事業グループで行われます。通常は各グループが、独自のBI作業に資金を投じ、独自のデータ要件を管理し、独自の分析アプリケーションを実行します。

集中管理型モデルとは何ですか?

多くの組織が、複数のビジネス・アプリケーションに分散したデータを分析することに困難を感じています。この問題を解決できるのが集中管理型ビジネス・インテリジェンス(BI)モデルです。このモデルにより、中央データ・ウェアハウスに分析用のすべての業務データが格納され、企業全体で単一かつ一貫性のある情報のビューが提供されます。通常は、中央のBIチームが様々なビジネス・部門向けにレポートや分析モデルを開発します。

BIシステムにはどのような例がありますか?

ビジネス・インテリジェンス(BI)システムによって企業は業務データを分析して新たな洞察を得ることができ、ビジネス・パフォーマンスの向上につながります。たとえば、企業は社内アプリケーションに加えてeコマース・サイトや市場予測といった外部ソースから、あらゆる顧客関連情報を収集できます。その後、BIツールを使用して購買行動のトレンドを識別および予測します。企業はBIを使用して、意思決定の改善と迅速化、生産性と効率の向上、新たな機会とリスクの識別、ビジネス・パフォーマンスの追跡を行います。

一般的なBIツールにはどのようなものがありますか?

BIソリューションには、社内および社外のシステムから大量のデータを収集して処理するための様々なツールが含まれています。これらのツールには、データ・ウェアハウス、レポート作成およびビジュアライゼーションのツール、統合ソフトウェアが含まれます。これらのツールを組み合せることで、意思決定者や管理者、その他の従業員は、ダッシュボードやレポートで情報を表示することも、基本的な分析や高度な分析にアクセスすることもできるようになります。