CFOのためのフロント・オフィスとバック・オフィスの関係強化ガイド

CFOのためのフロント・オフィスとバック・オフィスの関係強化ガイド

財務チームが帳簿を締めるのに20営業日もかかれば、会社の他部門との関係が悪化しても無理はありません。連絡する際は、おそらく手に負えないストレスに満ちた関係になるでしょう。バック・オフィス機能には、規制、コンプライアンス、監査を遂行する重要な役割があります。しかし、特にフロントラインの業務をより直接的にサポートすることも財務部門の役割に含まれるようになりました。組織は、財務、ITおよび他のバック・オフィス機能の現在および将来の役割について注意深く考える必要があります。

このガイドでは、財務部長やCFOが、財務部門とフロント・オフィスの間に有益な関係を築くために役立つ情報を紹介します。

理想的な関係

フロント・オフィスとバック・オフィスは、どのような関係を築くべきでしょうか。フロント・オフィスとバック・オフィスの間で強い関係を築いて、会社が最善の意思決定を行うためには、多くのステップを踏む必要があります。バック・オフィスからフロント・オフィスに流すデータは「公正」で信頼できるだけでなく、タイムリーでなければなりません。そのためには、システムへの手動介入を極力減らして、データのスピードと正確さを確保する必要があります。

情報の確認と監査は財務チームが担当し、訂正や変更は例外的な場合に限りたいと思うでしょう。財務部門は、営業、マーケティング、および顧客サービスの業務に、どのような情報が必要かも把握しておく必要があります。

財務部門とフロント・オフィスがうまくいく方法

財務部門の重要な役割は、会社のリスク管理を支援することですが、財務部門はリスクを取ることを嫌う傾向があります。

速い成長を目指す会社は、販売および製品に重点を置いており、多くの場合「下流プロセス」環境でリスクを取って利益を得ています。リスクと見返りのバランスを取るときに、「ビジネスを前に推し進める人」と「ブレーキをかける人」の間で引き締めや軋轢(対立)が生じることがよくあります。財務部門のリーダーは、この緊張をほぐすように努力する必要があります。

情報に取り残される

フロント・オフィスは常に成長しようとしますが、対照的に財務部門はリスクを避けて、コンプライアンスと報告を重視し、成長の結果生じた変化に単に対応するだけになります。旧来のERPおよび中小企業向けの財務アプリケーションは、一般にフロント・オフィスが要求する成長スピードについていくだけで精一杯です。そのため、使える情報も使えない情報も営業部門やビジネス開発チームにタイムリーに届かないため、成長が妨げられます。

システムの自動化、情報の確認、部門KPIの開発

新興企業は従来のシステムやプロセスに縛られないため、古い組織に比べて有利です。新しい財務テクノロジでは、自動化により多くの「ヒューマン・エラー」のリスクが取り除かれます。

次のステップとして、多額なデータ可視化ツールを経理担当者と営業マネージャーに与えるだけでは不十分です。データ入力から解放された財務部門は、得られた時間を使用して、組織に入ってくるデータを確認および監査する必要があります。

次の重要なステップは業務評価プロセスの策定です。財務部門は、ビジネスに合った主要業績評価指標(KPI)を開発して、業績を上げる行動と意思決定をして、ビジネスをサポートする必要があります。

柔軟性の維持も重要

財務部門はビジネスに関する情報を照合、確認、配布するようにすばやく変化できるかもしれません。例えば、1年で売上が3倍になったらどうしますか。従業員数が4倍になり、数か国で新事業を展開したらどうしますか。

多くの場合、財務部門では、プロセスを組織に組み込み、統制と整合性を維持するために固定化します。しかし、変化の激しい組織では、財務部門にも柔軟性が必要です。財務部門のシステムとプロセスにもスケーラビリティが求められます。最新のクラウドベースのシステムなら、その要件を満たすことができます。

財務チームを発展させるための重要なチャンス

バック・オフィスから有益でタイムリーなサポートを得るためには、システムの改善とプロセスの刷新が必要で、更に財務チームのメンバーも変わる必要があります。取引処理の多くが不要になりますが、新しい役割を担う必要があります。システムのデータ処理方法に精通し、現在手元にどのようなデータがあるかを把握している専門家が必要になります。重要なのは、彼らが他部門のチームと協力して、その部門の働き方や業務を改善するために必要な情報を把握できるようになることです。

コスト削減か、価値の創造か

多くの場合、財務の専門家は、プロセスや職務を自動化するとスタッフを減らされるのではないかと心配します。肥大化した大企業では人員削減が必要になるかもしれませんが、一般的には、付加価値の高い仕事(フロント・ライン業務への協力など)にスタッフを振り向けることができ、ビジネスの成長に比例してバック・オフィスの人員を増やさなくてすむようになります。新しい情報収集ツールや検証ツールを財務部門で利用するには、ツールを操作して、組織に必要な情報を把握できる、適切なスキルを持った人材が必要になります。

幸いなことに、次世代の財務スタッフはデータ入力の仕事では満足せず、価値を生み出す創造的なプロジェクトに携わりたいと考えています。このようなスタッフがバック・オフィスとフロント・オフィスを行き来して、真のビジネス・パートナーシップを築いてくれるでしょう。

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