決算プロセスの管理は、通常でも簡単ではありません。データが複数のシステムや異なるフォーマットで保存されていたり、足りない情報の確認や収集に多くの時間を費やす必要があるほか、スプレッドシートで計算した内容を手作業で会計システムに入力しなければならない場合もあります。複数の子会社や独立した事業部門を持つ組織では、さらに難易度が上がります。そして複数の国で事業を展開している場合は、その複雑性はさらに増します。
さらに複雑になる要因として、企業が成長過程で他の企業を買収し、新しい市場への参入や収益源の多様化を図ることが挙げられます。こうした拡大を続ける中で、一つの組織内に複数のERPや会計システムが並存することも珍しくありません。個々のシステムはそれぞれ目的に沿って運用されているものの、全体で見るとこれらのシステム同士が連携していないケースがほとんどです。そのため、組織全体でデータを収集して標準化する作業は非常に困難になります。
連結財務報告を作成する上で、共通の勘定科目表がないことも大きな障壁となります。つまり、各子会社の取引は総勘定元帳に記録される前に、正しい勘定科目コードが使用されているか会計担当者が確認する必要があります。しかし実際には、人手不足や期限通りに決算を終えなければならないプレッシャーのため、この確認が十分に行われないことがあります。金額の大きい取引は入念に分析される一方で、小規模な取引は見過ごされがちです。
また、多国籍企業の場合、それぞれの国ごとに会計基準や税制が異なるため、こうしたルールにも対応が必要になります。さらにレポート作成のためには為替レートを調べ、すべての取引を自社の基準通貨に換算し直す必要もあります。加えて、国によって収益認識や減価償却、それに償却方法のルールが異なるため、連結決算で報告するためには収益の計上時期や経費スケジュールも調整する必要が出てきます。
子会社の取引データを確認し手作業で修正する必要があると、決算作業が長引き、財務・会計担当者の残業が増えるだけでなく、ミスが発生するリスクも高まります。
グローバル基準とローカル対応の両立
世界中の異なる地域で事業展開する子会社が現地および国の規制を順守することは当然重要です。しかし理想的には全社的な基準にも準拠し、一貫性の確保と連結決算のため、共通の勘定科目表を使用することが求められます。そのためには、異なるERPや会計ソフトウェアの寄せ集めを、単一のソリューションに統合することが、最初の重要なステップとなります。
多拠点会計のニーズ (opens in new tab)を満たす会計ソフトには、次のような機能が必要です。
- 標準化された勘定科目表を持つ共通の総勘定元帳、かつ、地域・国・子会社ごとに勘定科目表をカスタマイズできる機能
- 最新の為替レートに基づく自動通貨換算と、現地通貨・親会社通貨で同時に仕訳登録できる機能
- 複数の会計基準や税制に対応し、1つの取引に対して複数の会計処理を適用できる機能
- 取引ごとに個別調整や再分類を手作業で行う必要がないシームレスな連結処理
- 権限を持つユーザーが、子会社の財務データに取引レベルまでリアルタイムでアクセスできる機能
要件別に複数の帳簿を自動作成
NetSuiteの複数帳簿会計 (opens in new tab)ソフトウェアを利用すれば、財務・税務・経営といったさまざまなニーズに対応した複数の帳簿を、それぞれ異なるルールで作成できます。たとえば、米国に本社を置き、ヨーロッパに子会社を持つ企業の場合、フランスやドイツで発生した取引にはIFRS(国際会計基準)のルールを適用しつつ、これらの取引を企業全体の財務報告に反映させる際には米国会計基準(GAAP)に従う必要があります。NetSuiteの複数帳簿会計を使うと、IFRS専用の会計帳簿を作成できます。そして、ヨーロッパ子会社で発生した取引について、IFRSの帳簿と米国GAAPに基づく本社の主要帳簿の両方に、同じ取引が自動的に記録されるようルールを設定できます。
収益管理のルールは会計基準ごとに異なるため、基準別に帳簿を作成し、それぞれに適した収益認識スケジュールを設定できます。基準やルールの違いに応じて、収益は金額や計上タイミングを変えて記録されます。また、帳簿ごとに専用の勘定科目を設定したり、固定資産の減価償却や費用の償却スケジュールも帳簿ごとに変えることが可能です。たとえば、異なる州に子会社がある米国企業であれば、州ごとに法人税率や減価償却ルールの違いに対応するため、帳簿を分けて管理できます。
NetSuiteの複数帳簿会計では、あらかじめ設定したルールに基づいて、各国・地域や子会社ごとにどの通貨単位でレポートを作成するかを決め、それに合わせて通貨換算を自動で行います。実際の取引入力時には、最新の為替レートを使って複数の通貨で同時に仕訳が登録されるため、締め処理の際に手作業で通貨換算をする必要がなくなります。さらにこの処理はリアルタイムで行われるため、総勘定元帳への転記内容も、複数通貨ベースですぐに確認できます。
NetSuiteの複数帳簿会計は、海外取引や複数の子会社を持つ企業にとって大きな利点があります。リアルタイムでの連結処理、自動通貨換算、複数の会計基準や税制、収益・費用計上ルールを同時に適用できる機能により、手作業での調整や時間のかかる連結処理が不要となり、決算作業を大幅に効率化できます。その結果、より迅速かつ正確な財務報告が実現し、経理担当者の負担も軽減され、利害関係者との信頼関係も強化されます。
NetSuite独自のソリューションは、財務、業務、コマースを統合するスイート製品でビジネスの成長を加速させます。
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