買掛金とは
買掛金(新しいタブで開きます) は企業の短期的な負債です。発生主義会計を使用する企業では、買掛金、つまり企業が仕入先に支払う額と、売掛金(AR)(新しいタブで開きます) 、つまり顧客が企業に支払う額を扱います。
買掛金は、企業の財務健全性のスナップショットである貸借対照表に記載されます。買掛金は右側の「流動負債」に該当します。負債は、支払い期日に応じて記載されます。買掛金は通常30日以内に支払う必要があるため、最初に記載されます。
買掛金部門の重要性
10月第2週に、Institute of Financial Operationsは、AP Recognition Weekというイベントを開催しています。買掛金担当者に、このようなマグカップ(新しいタブで開きます) を贈ることで、その週を人々に認識してもらうことができるでしょう。買掛金部門がなければ企業は存在できないのですから。
買掛金部門(新しいタブで開きます) は、仕入先への支払い義務を正確に追跡し、支払いが適切に承認されたことを確認して、支払いを処理します。正確な貸借対照表を作成するには、買掛金に関する正確な情報が不可欠です。
この業務は、次の理由からビジネスの中心でもあります。
買掛金部門は、自社のシステムにある仕入先の情報が正確かつ最新であることを確認することで、仕入先との良好な関係を確保しています。仕入先への支払いを期日までに確実に行い、関係を強化して、有利な支払い条件や割引が得られるよう努めています。
買掛金部門は正確な帳簿を維持して、資金予測の正確性と運転資本の最適化を実現しています。
買掛金部門は、ミスや不正の防止に貢献しています。
買掛金部門の役割
企業は勘定科目一覧表で買掛金を追跡します。組織の規模によっては、買掛金と売掛金の職責が統合されている場合があります。ただし、大規模な企業では別々の部門になります。買掛金担当者の職務内容の例を次に示します。
役割 | 責任 |
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請求書の確認と記録 |
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承認を得るための請求書のルーティング |
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支払いの送金 |
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レポート |
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仕入先との関係 |
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買掛金プロセスとは
基本的な買掛金プロセスは、次のように行われます。買掛金担当者が請求書を受け取ります。担当者はデータを手入力し、発注書および関連する総勘定元帳(GL)勘定科目に照らして請求書(新しいタブで開きます) を確認します。担当者が承認のために請求書をルーティングします。承認されると、担当者は請求書に基づいて支払いのスケジュールを設定します。
買掛金プロセスでは、複式簿記と借方および貸方の概念を理解することが重要です。複式簿記(新しいタブで開きます) は、すべての財務取引を2回(ある勘定科目の借方と、別の勘定科目の貸方として)記録することで、会計上のミスを排除するのに役立ちます。
たとえば、Bob's Balloonsが8月に仕入先のBalloonysから500ドル分の風船の在庫を購入したとします。Balloonysは、8月に請求書を送付し、その期限は30日後の9月中の日付であるとします。会計担当者は、Ballooneysの買掛金仕訳を作成し、その勘定科目に500ドルを貸方記入します。在庫資産勘定から500ドルを借方記入します。
通常、企業は請求書を受け取ると、GLで買掛金を貸方記入し、資産勘定(または経費)を借方記入します。Bob's Balloonsは、Balloonysからの請求額を支払ったら、買掛金勘定を借方記入し、在庫資産勘定を貸方記入します。
買掛金は、企業の貸借対照表に、すべての買掛金の合計額として記載されます。貸借対照表では、資産= 負債+資本という数式が成り立ちます。前述の例を使用すると、風船は資産に含まれ、風船の請求額は負債に含まれます。
買掛金部門を編成する7つの方法
適切な書類を入手します。商品やサービスの発注書は常に必要です。W-9および納税ID番号を含むすべての仕入先情報のハブである仕入先マスター・ファイルを管理します。
すべての記録を一元化します。ソフトウェアを使用している場合は、請求書をすぐにシステムに入力します。ベストプラクティスは、請求書が届いた日に入力することです。処理が完了したら、日付印を入れます。すべての買掛金を仕訳帳に記録します。すべての記録を1か所に保存します。
勘定科目を毎日照合します。請求書が注文書と一致するかどうかを確認します。紛争と解決を追跡します。
職務を分離します会計は、不注意による間違いや明らかな不正が発生する可能性が最も高い部門の1つです。支払いの承認と処理に異なる担当者を割り当ててください。
電子的な決済方法(新しいタブで開きます) を含めます。自動決済機関(ACH)送金では、支払いデータが暗号化されるため、セキュリティを確保できます。また、ACH送金を使用することで、企業は迅速な支払いによる割引を活用できます。
電子データ交換(EDI)を検討します。ペーパーレス・プロセスにより、時間を節約し、より正確な請求書処理を実現できます。これは、企業が割引や有利な支払い条件を活用するのにも役立ちます。購買部門に仕入先関係管理システム(新しいタブで開きます) を採用する企業は、発注書の処理や請求書の受領と承認を自動化できます。また、受領した在庫やサービスの追跡と支払いを効率化することもできます。
買掛金を自動化します。買掛金自動化は時間とコストを節約しながら、コストのかかるエラーからビジネスを保護するのに役立ちます。Aberdeen Groupによると、買掛金の自動化により、買掛金支払い日数(DPO)(新しいタブで開きます) を平均5.55日削減できます。
No.1 クラウド
会計ソフトウェア
買掛金自動化ソフトウェアにより買掛金部門の効率性を高める方法
Institute of Finance and Managementによる財務管理者への調査によると、買掛金は「最も時間と労力がかかり、紙での処理が非常に多い財務上および管理上の職務」です。
買掛金自動化ソフトウェアはプロセス全体をデジタル化するため、ほとんどの請求書を手作業なしで処理でき、買掛金部門は例外や外れ値を処理するだけで済みます。これにより、時間が節約され、プロセス全体の精度が向上します。
このシステムでは、請求書はスキャンするか、特定の住所にメールで送信され、会計自動化ソフトウェアによって読み取られます。たとえば、ソフトウェアの買掛金管理機能を使用すると、企業は詳細な借方と貸方を入力することなく、仕入先リストの管理、請求書と買掛金の追跡、支払い処理を行うことができます。請求書は、システムに組み込まれたルールとワークフロー(新しいタブで開きます) に従って、承認のためにルーティングされます。支払いは経費として総勘定元帳に記入され、支払い金額が買掛金から自動的に差し引かれます。請求書は、規制や税務に関するコンプライアンスを確保するために、中央データベースに保存されます。さらに、企業は買掛金をリアルタイムで把握できます。
自動化された買掛金プロセスでは、支払い管理がシンプルで反復可能なプロセスとして組み込まれます。買掛金自動化では、ログイン用の二要素認証だけでなく、ログイン資格証明とダッシュボードを個別に作成することで、個別の職務を指定します。これにより、不正な承認を行うのが困難になり、すべての承認のログが一元管理され、監査が容易になります。買掛金自動化では、請求書が発注書と照合され、不一致に対して警告が発せられます。
会計部門が、正確性の向上と請求書処理の高速化を実現する対策を講じ、仕入先に応じて支払いタイミングと支払い条件を最適化するためのビジネス・インサイトを提供するようになると、会計は、企業にとってより戦略的なものとなり、厳密にはコスト・センターとみなせなくなります。