洗練されたデザインのキッチン雑貨、インテリア雑貨などの商品企画・開発・販売を手がけるキントーは、海外事業の展開にあたり、長年利用しているパッケージソフトや独自ツールでは、統合的な管理ができないという課題に直面していました。クラウド型ERP『NetSuite』を導入することによって、国内から海外事業を統制できるようになり、既存の人的リソースのまま大きな売上増を果たしました。
“NetSuiteの導入によって、海外事業の展開を限られたリソースで実現できました。大幅な売上増・業務量増でも、人材を増強する必要はありませんでした” 株式会社キントー 専務取締役 小出竜介氏
キントーは1972年、食器の卸売業者として滋賀県で設立されました。国内外の製品の卸を経て、のちには自社でもオリジナル製品を企画・開発するようになりました。現在は、テーブルウェアやドリンクウェア、インテリア雑貨などの商品企画・開発を手がけ、国内外で高い人気を誇っています。
キントーの製品は、2009年の香港展示会への出展を皮切りに、北欧で人気が上昇。2010年以降は、欧米・アジア・中東などにも商品を展開しています。2016年にはオランダ・アムステルダムに、2019年には米国にも子会社を設立し、本格的な海外事業の強化を図っています。
もともとキントーでは、複数の基幹系ソフトウェアを活用し、各種業務を管理していました。大まかには、販売管理・在庫管理・倉庫管理などはスクラッチで開発した“クライアント・サーバー”タイプのツールを、EC・会計管理・給与管理・受発注管理などは市販のパッケージソフトを使っていました。特にスクラッチ開発のオンプレミスシステムは、1995年ごろから使い始めて、取引先やビジネス形態が変わるたびに追加開発を行って対処してきました。
海外展開を始めた当初は、Microsoft Excelなどを活用して手作業で管理を行っていました。しかし、当然のことながら、本格的な事業展開には不向きでした。
キントーでは、海外事業の強化を支えるITとして、統合環境すなわちERPの導入を検討しました。従来どおりのオンプレミスシステムで実装するか、それともクラウドサービスを検討するかを比較検討した結果、オンプレミスの運用負荷・開発コストが肥大化していたこと、システムが硬直化して進化しにくくなっていたことを踏まえて、クラウド化を推進すべきだと判断しました。
キントーでは、まず比較的規模が小さく、トランザクションの少ない欧州子会社から、NetSuiteの活用を開始しました。のちに日本本社へと展開を図り、2018年10月には完全な移行・統合を果たしています。NetSuiteの導入からわずか1年ほどにもかかわらず、人員を増強することなく前年比150%ほどの売上増を達成しています。
NetSuiteの導入により海外事業を国内から統制する環境が整ったキントーでは、今後、社員の“NetSuiteリテラシー”をさらに向上し、NetSuiteにて業務効率化を図りながら効果的に使っていきたいと考えています。併せて、NetSuiteが提供するトレーニングを活用しながら、ユーザービリティを向上する施策を講じて、スタッフが使いやすい環境を整えていく計画です。