株式会社BB-SPORTS
大阪府吹田市垂水町3-23- 25
長淵 巧 氏
1999年11月11日
90,000千円
160名(2011年9月1日現在)
トレーニング用品や格闘技用品を中心に、スポーツアパレルやカジュアルを意識した衣料品や雑貨など、幅広い商品をラインアップするブランド「BODYMAKER」を展開している株式会社BB-SPORTS様(以下、同社)。従来のスポーツ用品メーカーとは異なる製造小売り(SPA)の業態で事業展開しており、顧客ニーズを素早く反映した商品開発などを実現し、順調に業績を伸ばしています。
同社では、これまでカタログ通信販売をメインの販売チャネルとしていましたが、顧客ニーズの変化に合わせてインターネット販売の強化を決断。現在では3000種類以上の商品をECサイトで取り扱っています。同社では2010年末より、業務システムからリアルタイムに得た情報に基づく意思決定を迅速に反映できるシステムとして、ERP/財務・会計、CRM、Eコマース機能を1つのシステムで実現できる「NetSuite」を導入しました。今回はその経緯と効果について、BB-SPORTS 取締役の松川氏、監査役の永池氏、販売部通販課課長の小川氏にお話を伺いました。
(株)BB-SPORTS
取締役
松川 隆夫 氏
同社が以前に使用していたシステムは買い取り式で、自社向けにカスタマイズしたものを、自前のサーバーで立ち上げ、運用をしていました。そのため、インターネット通販の世界で目まぐるしく変化する顧客のニーズや環境に対して、システム側が柔軟に対応しきれないことが多くなっていたのです。また、販売管理や出荷管理などのシステムをそれぞれ個別に導入。バッチ処理でデータを連携させなくてはならず、事務処理に時間がかかっていました。各システムから上げられるデータを分析して、経営状況を把握するのにも手間と時間がかかっていました。
「それぞれのシステムを別々のベンダーが構築していました。例えばホームページのある部分を改善修正したとすると、販売管理システムや物流システムの方も変更しなければなりません。そのため、システムを何か少し変更したりバージョンアップしたりという場合には、関連する全てのベンダーに同席してもらう必要があります。こうした理由から、システムをバージョンアップさせるということが、なかなか進まなかったのです。」(松川氏)
さらに同社では、システムの専門ではない数名の社員が、本来業務と兼任する形
でシステムの運用管理を行っていました。そのため、本業に充てるべき時間をシステム運用管理のために割かなくてはならず、日々の運用管理にかかる作業負荷が高くなっていたことも悩みの種になっていました。
こうしたシステムの状況を改善するため、同社ではシステムの刷新を決断。各システムがスピーディーに連携することで、迅速に経営状況を把握でき経営層の意思決定に役立つこと。そして、運用管理に関する作業から担当者を解放して、本来やるべき仕事に専念させることで、会社としてさらに前進できることを前提条件とし、要望を満たせるシステムの検討を行いました。
「ほかに、災害対策もシステム刷新を決断するきっかけになりました。以前から、自社でサーバーを持つリスクを感じていましたので、サーバーを自社ではなく別の場所で運用できる手段を検討し、いかなる場合にも事業を継続できるようにしたいと考えていました。こうした思いに基づいてシステム刷新を上申したところ、現在考えうるリスクを回避でき、変化が激しいインターネット環境にも柔軟に対応できるようなシステムにしてほしい、と強く要望されました。」(松川氏)
旧システムのリースアップを1年後に控えた2009年の秋に、システムの比較検討を開始した同社。多くの候補の中から5社の製品を比較対象とし、そのうち3社から詳しく話を聞きました。最終的に富士通マーケティングが提案した「NetSuite」を選定しました。一番の決め手となったのは、基幹システムと販売管理システム、CRMが1つのシステムに統合されていることにより、あらゆる業務データをリアルタイムに把握できることでした。また、3社の中で「NetSuite」が唯一クラウド型の製品であり、初期費用を抑えることができるため導入しやすいこと、TCOの削減効果が期待できることも選定する上でのポイントとなったそうです。
今回「NetSuite」を導入する際、同社は多くの場面で自分たちが主導しながらシステム構築を進めました。構築をベンダー任せにしないその姿勢について、松川氏は次のように述懐します。
「以前のシステム導入のとき、ベンダーに構築作業を任せていたのですが、それではいざ使うときになってどんな機能があるのか、どんなことができるのか分からないことが多くなってしまいました。逆に今回は、システム構築に関わって一緒に苦労することで、使い方もちゃんと理解した状態から使い始められるようにしたかったのです。」(松川氏)
(株)BB-SPORTS
監査役
永池 徹也 氏
2010年12月に「NetSuite」の本稼働を開始した同社。クラウド型システムになり、不意に起きるシステム不調に慌てるような事態が大幅に減少し、システムを任されていた社員が遅い時間まで残業して対応するということもなくなりました。全体的にも日々の運用管理にかかっていた作業負荷から解放され、商品企画や情報収集などの本来業務に時間を充てることができるようになったそうです。
「インターネット通販ということで、当社がどのようなセキュリティ対策を行っているかを、お客様も注意して見ていらっしゃいますし、当社としてもお客様の個人情報
を厳守するために、これまではシステム側でもかなりセキュリティ面に気を配っていました。それがクラウド型の『NetSuite』になり、データセンター側が高いセキュリティを確保しているため、以前に比べあまり意識しなくてもよくなりました。また、Webサイトに掲載している約3000商品のうち、7割くらいは1年に1度新商品に入れ替えているのですが、そうした新商品をWebサイトに登録する作業が非常に楽になりました。時間にしておよそ5分の1に短縮できたと感じています。」(永池氏
また、これまで個別に導入していた販売管理システム、Webサイトのシステム、クレジットカードのシステムなど、あらゆるシステムが一元化されたことにより、業務処理にかかる時間を大幅に短縮することができました。
「Webサイトを介してお客様からいただいた注文に対して、システム側で行っていた対応が、大幅に速くなりました。感覚値ではありますが、1件あたりの対応スピードは4~5倍は速くなったと感じています。これによって、私たちの作業はとても楽になりましたので、今後は少人数での対応も進めていく予定です。」(小川氏)
今後、同社では通信販売事業を海外でも展開していくことを計画しています。その際には、多言語・多通貨に対応している「NetSuite」の効力が、さらに発揮されることを期待しています。
「現在、スポーツ用品、フィットネス用品の業界でいいますと、日本よりも欧米諸国の方が、規模が大きい市場が広がっています。ですから、ぜひ当社としても将来的には欧米諸国に進出してみたいという思いを持っています。そうしたときにも、『NetSuite』は多言語・多通貨対応ですから、きっと役立ってくれるだろうと考えています。」(松川氏)
※本原稿は、株式会社富士通マーケティングのWebサイトに掲載されたNetSuite導入事例記事からの転載です。
http://www.fjm.fujitsu.com/solution/casestudies/bb-sports/