在庫管理

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在庫管理には、「現物の保全管理(壊さない/なくさない/傷付けない)」という側面と、「在庫量の管理」という2 つの側面があります。昨今の在庫管理の中心は後者の在庫量に関する管理にあり、在庫の過不足が起こらないように、つまり在庫の最適化を行うために、あらゆる手段を講じることが目的となります。クラウドERPを選択する際には、この在庫の最適化を実現する機能を確認する必要があります。

在庫管理とは

そもそもなぜ在庫が必要なのでしょうか。一言で言ってしまうと、「需給のバランスをとるための緩衝材」として必要なのです。ある"物"が欲しい人がいたとします(需要)。しかしその"物"を生産し、欲しい人に手渡す(供給)までに1 ヶ月かかるとした場合、この"物"が具体的に何であるかによって1 ヶ月という期間は妥当なものだったり、そうでなかったりします。仮にその"物"が注文住宅だったとしたら、この期間は短いと感じるでしょう。また、ユーザーの希望するオプションを取り入れた自家用車だとしたら、こんなものかと思うかもしれません。しかし、この"物"が"今すぐ飲むためのドリンク"だとしたら、この期間は到底あり得ないものとなり、商売は不成立となるでしょう。

このように、需要がありながら供給者側が準備を行なえず商売の機会を逸することを「機会損失」と言います。そこで、その機会損失を防ぐために在庫というものが存在します。ニーズの発生前に"物"が存在することで、入手までの時間(リードタイム)が限りなく短くなり、商売も成立するというわけです。また、需要そのものを創造しているとも言えます。そして、このように十分な在庫を確保し、機会損失を防ぐこと(在庫の不足を防ぐこと)が在庫管理を行なう大きな目的の1 つとなります。

もう1 つの在庫管理の大きな目的は、「在庫を過剰に持たないこと」にあります。在庫自体に大きな役割があることは理解いただけたと思いますが、在庫は多ければ多いほど良いというものではありません。在庫を持つことには、お金にまつわるリスクが伴います。このリスクも大きく2 つに分かれます。

1 つは、コストに関わることです。在庫を保有するには、保管費用(倉庫費用や作業費 用など)が必要です。また、商品の破損、劣化、陳腐化による減価/廃棄ロスのおそれも あります。

もう1 つは、資金繰りに関することです。商品を保有するには、当然ながら資金を使っ て製造または仕入れを行ないます。在庫が売上に変わるまでは、投じた資金は眠ってい ることになります。在庫が積み上がれば積み上がるほど資金の巡りが悪くなり、ほかの有 望な案件や商品への投資ができずに売上の低迷にもつながりかねません。資金が不足し、 支払いが滞るような事態に陥れば、倒産もあり得るのです。

したがって、必要以上の在庫を持たないことは、コストの低減と資金繰りの向上に貢献 することになり、この"必要以上に在庫を持たない"ための管理も非常に重要となります。在庫管理では、こうした「多すぎず少なすぎず、在庫量の落とし所を探る」というオペレーションが重要なのです。

在庫評価

貸借対照表における棚卸資産とは、在庫の価値を金額であらわしたものです。この金額がすなわち、現金になっていない商品の金額となり、資金繰り上でのマイナス要素となります。この在庫金額を計算するのが在庫評価です。在庫評価の方法には、以下のようなものがあります。

  • 個別法
    個々の実際原価によって期末の棚卸資産の価額を決定します。
  • 先入先出(FIFO)法
    先に入庫されたものが先に出庫されると考えます。在庫金額は最も新しく入庫されたものから計算されるとみなして、期末の棚卸資産の価額を算定します。
  • 後入先出(LIFO)法
    最後に入庫されたものが最初に出庫されると考えます。在庫金額は最も古く入庫されたものから計算されるとみなして、期末の棚卸資産の価額を算定します。
  • 平均原価法
    取得した金額の平均を算出し、期末棚卸資産の価額を算定します。平均原価法には、総平均法と移動平均法があります。

クラウドERPには、これらのさまざま在庫評価の方法で在庫金額をもとめる機能が必要です。

在庫回転期間と在庫回転率

在庫回転期間とは、その商品が入荷され、そして出荷されるまで平均何ヶ月(何日)要するかを示した指標です。別の言い方をすると、何ヶ月分(何日分)の在庫を持っているかを示すものであるということです。例えば、在庫月数は「在庫高(月平均)÷売上高(年間)× 12」で表わされます。ある品目の月平均の在庫高が50 で、年間の売上高が100 だったとすると、「50 ÷ 100 × 12 = 6(ヶ月)」となり、この品目を入荷して売り切るまでに半年かかると見なします。在庫回転期間は、短いほうが販売の効率が良いと見なせますが、短すぎると品切れを起こしている可能性も出てくるので注意が必要です。

在庫回転率は、先ほどの在庫回転期間の逆数であり、一定期間に在庫が何回転したかを示す指標です。「売上高÷在庫高」という計算式で表わします。例えば、年間の売上高が100 で、月平均の在庫高が50 の商品があったとすると、「100 ÷ 50 = 2(回転)」となり、年間に「入荷→売り切り」のサイクルが2 回行なわれたことを意味します。こちらは、回転数が多いほうが販売効率も良いと言えます。

在庫回転期間も在庫回転率も結局は同じことを示しているのですが、販売の効率性に着 目したい(回転率)のか、何ヶ月分の在庫を持っているのかを把握したい(回転期間)の かなど、分析の視点/目的の違いによって使い分けをすることになるでしょう。

クラウドERPには、在庫回転期間と在庫回転率のような指標を計算し、モニタリングできる機能が必要です。

交差比率

会社が扱う商品には、早く売れる商品とそうでない商品、利益のある商品とそうでない商品が混在します。多くの品目を扱う業種では、個々の商品が会社の利益にどのように貢献しているかを把握することがとても重要です。利益の低い商品を多数取り扱っていて、しかもそれぞれの商品が在庫過剰になっていれば利益率は低く、資金繰りも悪化します。利益率が高く、回転率の良い商品を販売することが最も効率が良いということになりますが、一般的に売れ行きの早い商品は粗利益率が低く、高利益率の商品は回転率が悪くなるものです。

そこで、両者のバランスをとって商品の販売効率を判断し、商品構成に活かすといったことを行なうのです。在庫回転率と粗利益率を掛け合わせたものを「交差比率」と言い、販売効率を表わす指標として活用します。下の図の例では、商品H は交差比率が最も高いので重点商品と言え、商品I は回転率が低く利益率も低いので、商品の販売を今後継続するべきかどうか判断を迫られるということになります。

クラウドERP

交差比率を計算するには、在庫データと販売・会計データの双方からデータを収集する必要があります。クラウドERPには、交差比率のような複数業務にまたがるデータを利用した指標を計算し、モニタリングできる機能が必要です。

発注点管理

在庫を補充するための発注のやり方には、定量発注点方式と定期発注点方式の2つがあります。定量発注点方式では、あらかじめ決められた在庫量(発注点)を下回った時点で、一定の数量を発注します。定期発注点方式では、定期的に在庫の量を確認し、需要予測ななどに基づいて、その都度、数量を計算して発注を行います。この2つの方式は、以下のような商品の特性に応じて使い分けられます。

クラウドERP

定量発注点方式の場合、発注点に到達したかどうかは、常に発注担当者がモニタリングしておく必要がありますが、このような監視・アラートはシステムで処理することで、担当者の負荷を軽減し、発注ミスを防止することができます。また、発注量も決定しているため、担当者の承認のみで自動的に発注を行う処理も可能です。

クラウドERPには、定量発注方式における、発注点の警告を自動発注を行う機能が必要です。

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