販売管理と製造原価

販売管理と製造原価


製造原価とは、商品仕入れとともに売上原価を構成する主要な科目の一つです。製造原価は、商品を製造するために購入した部品や原材料、あるいは直接製造にたずさわる従業員の給与まで含まれます。このため、製造原価は、商品仕入れとは異なり1つの製品に対する原価を、単純にもとめることはできません。このため、一般に原価計算と呼ばれる業務(システム)が存在します。この原価計算の方法にはいくつか種類があり、その方法を区別する基準は3つあります。

1つ目は、個別原価計算と総合原価計算と呼ばれる2つの方法です。個々の製品ごとに原価を計算する方法を個別原価計算と呼びます。得意先からの発注にもとづいて商品を生産する、いわゆる受注生産の場合はこの方法を使用します。一方、ある一定期間(例えば月)にかかった費用をその期間に製造された製品の数量で割って計算する方法を総合原価計算と呼びます。同一の製品を大量に製造し、同一価格で(定価をつけて)販売するような場合は、こちらの方法を使用します。IT業界におけるソフトウエア開発を例にとると、得意先から受けとった仕様に基づいて開発するソフトウエアの場合は、個別原価計算に、定価をつけて販売するパッケージソフトウエアを開発する場合は、総合原価計算になります。

2つ目は、全部原価計算と部分原価計算と呼ばれる2つの方法です。製造に使った費用の全てを原価として含める方法を全部原価計算と呼びます。会計上は、こちらの方法しか認められませんので、通常の原価計算は全てこの方法で行われます。一方、会計上では認められませんが、ある社内管理目的で、製造に使った費用の一部だけを原価として計算する場合もあります。この方法を部分原価計算と呼びます。この部分原価計算の結果は、企業業績管理を目的としたアプリケーションで使用する場合があります。

3つ目は、実際原価計算と標準原価計算と呼ばれる2つの方法です。実際に発生した費用に基づいて原価を計算する方法を実際原価計算と呼び、会計上は、こちらの方法しか認められていません。従って、財務会計システムで仕訳されて格納されている製造原価は、全部原価で、かつ実際原価で計算されたものであるということになります。一方、部分原価計算と同様に、ある社内管理目的で使用されるのが標準原価計算と呼ばれる方法です。これは、あらかじめ、一つの商品の製造に要する原価の目安となる金額を設定しておく方法です。企業業績管理を目的として、製造原価を使用して粗利を計算する場合はこの標準原価計算でもとめられた金額を使用します。
これらの原価計算方法を図1にまとめましたので、確認してください。

原価計算の種類

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