Olympus

Company

オリンパス株式会社

事業内容:

・ 精密機械器具の製造販売
・ デジタルカメラ・録音機等
・ 医療用内視鏡等医療機器

所在地:

東京都新宿区

業種:

製造業(精密機器)

代表取締役:

笹 宏行

Webサイト:

http://www.olympus.co.jp/


オリンパス株式会社

ワールドビジネスセンター(株)

ワールドビジネスセンター(株)

導入の背景


ワールドビジネスセンター(株)

コーポレートセンター


IT統括本部 本部長

北村 正仁氏

オリンパス株式会社(以下、オリンパス)は、デジタルカメラに代表される映像事業をはじめ、医療事業、ライフサイエンス事業、情報通信関連など、多角的にビジネスを展開する精密機械機器メーカーです。かつては日本で製造し、海外で販売する輸出企業でしたが、現在では世界中に開発・製造拠点を置き、ビジネスを展開しています。こうした事業展開により、同社の売上高の60%は海外で占められるに至っています。とくに医療機器における同社の評価は高く、消化器内視鏡は世界シェアの約7割を誇ります。

同社のグローバル展開は留まることはなく、昨今経済成長の著しいインドに着目。2009年12月に医療機器の営業およびサービスの拠点として、Olympus Medical Systems India Private Limitedを設立し、同市場のおけるビジネスを強化しています。同社はその要となる基幹業務システムにSaaS型ERPシステムのNetSuiteを導入。スピーディーな導入、初期投資の抑制、新会社でのオペレーションに必要な業務アプリケーション機能の提供、本社主導でのITガバナンス強化を達成しました。

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会社概要と、導入の背景

オリンパスは、デジタルカメラやICレコーダーを中心とした「映像事業」、内視鏡や、その処置具を中心に人々の健康維持に貢献する「医療事業」、顕微鏡製品を中心に生命科学や半導体・液晶パネル製造に貢献する「ライフサイエンス事業」、そして「情報通信関連」の4分野で事業を展開する精密機械機器メーカーです。2019年に創業100周年を迎えるオリンパスは、創業100周年ビジョンと5カ年の新中期経営基本計画(2010年経営基本計画)を策定、発表しました。2010年経営基本計画のスローガンを"グローバル化のネクストステージへ"とし、具体的には「グローバル競争力のある企業体質への転化」、「新興国市場への事業展開強化」に取組み、企業価値の最大化を図ります。全社戦略では、中国・アジア市場における事業を強化し欧米市場なみにビジネスを拡大すること、セグメント別経営戦略では、医療事業において外科事業を強化し内視鏡と同規模に成長させることが重点施策となっています。

2009年7月、オリンパスは、経済成長の一途を辿るインド市場に着目し、内視鏡事業をはじめとする医療事業の更なる成長に向けた拡販を計画。同市場の成長率以上のビジネス展開を目的に、Olympus Medical Systems India Private Limited(以下、OMSI)の設立を決定しました。その経緯について、コーポレートセンター IT統括本部 本部長 北村 正仁氏は次のように語ります。「リーマンショック以来、ビジネスは欧米諸国から中国やインドなどの新興国にシフトしています。オリンパスのインドでのビジネスは代理店が請け負っており、製品はシンガポールの現地法人から提供する形で行っていました。しかし、さらなるビジネス拡大には、販売とサービスをダイレクトで行う必要がありました。このため、インドでの事業拠点となる新会社設立を決定したのです」

その決定を受け、北村氏をオーナーとした基幹システム構築プロジェクトチームが結成されたのは2009年8月のことです。OMSIが本格的な業務オペレーションを開始する2010年4月までに経営基盤となる基幹業務システム構築など必要なインフラを整備する必要がありました。プロジェクトにおけるIT担当メンバーは総勢6人。少数精鋭型でのプロジェクト体制が敷かれました。

システム導入前の課題

オリンパスがこれまで設立してきた海外現地法人のITインフラの整備は、現地主導で行われてきたといいます。この結果、法人ごとで異なったパッケージソフトウェアの導入が行われ、必ずしも相互に連携やシナジーが図られていませんでした。さらにガバナンスの整備は進まず、今日のコンプライアンス要件にも満たないことも問題視されました。このため、現地任せであったやり方を転換し、本社のIT統括本部主導で進めることになりました。この経緯について北村氏は次のように語ります。 「グローバル展開や昨今の市場の変化から、状況は変わりました。短期間で進める必要があるとともに、本社がガバナンスをきかし、一定のサービスレベルを達成することは必須でした」

この方針転換にあたり、オリンパスは、事業部門、海外現地法人、本社のIT統括本部が協議し、次のように方向性を決めました。まず、医療製品の販売・修理サービスを担うOMSIの業務オペレーションを支える必要十分な機能を有した基幹業務システムを提供することです。その範囲は当面必要な販売および会計業務とされました。また、システム面では中小規模の現地法人向けにスピーディーで低コストであること、将来的な横展開に耐えることが求められました。さらにガバナンス強化の観点からIT統括本部が必要なコントロールとサポートを行えることが盛り込まれました。

NetSuiteの選定

ワールドビジネスセンター(株)
コーポレートセンター
IT開発部
販売物流システムグループ
山本 泉氏

オリンパスは全社的にSAPを中心とするERPパッケージの導入を進めています。しかし、短期間での導入が急務の状況において、SAPは多くの時間とコストを要することが問題でした。また、少人数でのプロジェクト体制で導入することも現実的には困難でした。そのため急速なグローバル化の進展を踏まえた東南アジア地域の将来構想を前提に、グローバルなITガバナンス強化を達成する従来とは異なる新たなアプローチを検討することが急務となりました。OMSIの基幹業務システムの選定について、プロジェクトリーダーであるコーポレートセンター IT開発部 販売物流システムグループの山本 泉氏は次のように語ります。

「本プロジェクトでの優先事項は、スピーディーかつ低コストで導入できること、そしてガバナンスの強化です。それを念頭におき、SAP以外のERPパッケージを3つ検討しました。1つ目はインド製の中小企業向けERPパッケージ。2つ目がシンガポールで採用している中小企業向けERPパッケージ。そしてNetSuiteです。1つ目のERPパッケージはインドでは最も認知度が高く、低コストなこと、現地のビジネス事情へのフィッテイングの高さが評価されました。しかし、PCベースのスタンドアロン型のため、日本からのサポートは得られず、ITガバナンスが効かない問題がありました。さらに先々のグローバル化や将来の発展性も期待できませんでした。2つ目の製品は、シンガポールで使われており、ビジネス上親和性が高いと可能性がありました。しかし、バージョンアップを控えており、選定からは除外しました。NetSuiteは固定資産管理などの不足している機能もありましたが、現地でのビジネス展開には必要なものが十分に揃っていました。また、SaaS型ということで日本からリモートで運用できることは本社からのガバナンス強化において最も効果が高かったのです。このような経緯から、NetSuiteに決定しました」

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NetSuiteの導入

ワールドビジネスセンター(株)
コーポレートセンター
IT開発部
販売物流システムグループ
山本 泉氏

本社からのガバナンス強化において最も効果が高かったことが評価され、採用が決まったNetSuite。そのSaaS型の良さを活かすためにいくつかの導入方針が取り決められました。そのことについて、山本氏は次のように語ります。追加開発を行うことによる"費用の増大、構築期間の長期化、システム品質の低下、最終的には稼動延期"というリスクをユーザ側が十分に理解し、IT側の導入方針を支持してくれることが必要でした。ユーザの理解なくして、今回の成功は語れません。そして、アドオンの開発を最小限に留めるためにはNetSuiteを含めた関係者で協議し、さまざまなワークアラウンドの提供も行いました。その結果、追加開発されたアドオンを10件程度に留めることができ、スピーディーかつ低コストの導入が可能となったのです」

山本氏は続いて開発スケジュールについても次のように語ります。 「SaaS型の場合は、ハードウェアの調達がないために短期間でのシステム立ち上げには大きく貢献できたと思います。また、NetSuiteからは事前にマスター件数、トランザクション数をヒアリングされただけでサイジングやチューニングといったフェーズもありませんでした。それでも十分なパフォーマンスが得られています」

しかし、NetSuiteの導入にあたっては、いくつかの課題を克服する必要がありました。最も大きい課題の1つがインドの税制への対応だといいます。このことについて、会計システムを担当するコーポレートセンター IT開発部 人事経理システムグループ 長瀬 高生氏は次のように語ります。

「NetSuiteの標準機能ではインドのローカルルールには対応できず、アドオンの開発が必要でした。その一例として税前と税後で異なるディスカウントや控除、特別課税などで税率が異なってくることなど、複雑な税制への対応が必要でした」

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NetSuite導入後の活用

ワールドビジネスセンター(株)
コーポレートセンター
IT開発部
販売物流システムグループ
飯井 卓也氏

NetSuiteの導入は計画通りのスケジュールで完了し、OMSIは2010年4月よりスムーズに本格的な事業を開始することができました。このことについて、山本氏は次のように語ります。

「今回は新会社設立によるシステム導入のため、導入後の効果を定量的に評価するのは難しいのですが、短い準備期間にもかかわらず、OMSIが当初の計画通り、ビジネスをスタートできたのは大きな成果といえます。また、システム稼働後の不具合も日本主導で迅速に対応できています」

また、コーポレートセンター IT開発部 販売物流システムグループ 飯井 卓也氏は現地での状況を次のように語ります。

「使い方に関する質問はほとんどありません。もちろん導入に先立ってトレーニングは実施していますが、直感的に操作できているものと感じています。また、カスタマイズなしに必要な情報を簡単に取得できるレポーティングは、現地でも重宝されています」

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オリンパス様のオーダー画面

今回のオリンパス初となるSaaS型ERPの導入プロジェクトの成功について、北村氏は次のように総括します。

「まず、SaaS型の特性や限界を見極めることが重要です。設置型のERPの場合はある程度ニーズを盛り込んだカスタマイズが容易にでき、それを前提にプロジェクトを進めることができます。一方でSaaS型の場合はそのまま使うことが大前提ですし、それがSaaS型の魅力だと思います。現地からさまざまな要望を受けていましたが、それを受けてしまうとSaaSの良さが活きてきません。単にシステムが手元にあるのかクラウドかの物理的な違いではなく、SaaSとして与えられたシステムを使うという観点で検討するのが極めて重要です。今回は機能的には必要十分なものを持っていることを確認した上で導入を決めており問題はありませんでしたが、SaaS型の導入にあたっては、そのような割り切りが必要だと思います」

導入効果

北村氏によると、NetSuiteによって主に、4点の無形、有形効果が得られたと結論付けられました。

  • わずか6カ月という短期間で新たに設立する海外現地法人の経営管理基盤を実現
  • 新会社でのオペレーションに必要十分な業務アプリケーション機能の提供
  • 本社主導でのITガバナンス強化を達成
  • コストの抑制

今後、NetSuiteに期待すること

今回のプロジェクトの成功を通じ、北村氏はNetSuite活用の今後について次のように語ります。「海外法人の早期立ち上げのニーズは早まることはあってもなくなることはありません。場合によってはM&Aなどスピード感が必要な場合にはNetSuiteは有効だと思います。また、これまで展開してきた子会社、海外現地法人のシステムには現地側で採用したローカルパッケージを使ったシステムも存在します。このようなローカルパッケージを残すよりも、ガバナンスをきかせていくためにも安価で、比較的に導入が容易なSaaS型ERPは小さな会社やIT要員が十分に確保できない会社にはとくに有効だと思います」

最後に、北村氏はNetSuiteへの期待について次のように語ります。

「機能が増えていくのはいいことですが、それに伴うバージョンアップが課題となっています。バージョンアップは年に2回行われており、少なくともアドオン部分については、バージョンアップ前に3週間程度開放されるベータ環境において、全ての機能を検証しなければなりません。この作業は負荷が大きいので改善をお願いしたいと思います。このようにSaaS型ERPの良さを活かしつつ、安心して使い続けるための必要なサポートを期待しています」


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