日本、中国、米国でビジネスを展開するグローバル企業が選んだクラウドERP


Kii

Company

Kii株式会社

所在地:

東京都港区赤坂2-23-1 ア
ークヒルズフロントタワー13

代表取締役社長:

鈴木 尚志氏

設立:

2007年11月

資本金:

3億2677万円(2012年6月
現在)

Webサイト:

http://jp.kii.com/


日本、中国、米国でビジネスを展開するグローバル企業が選んだクラウドERP

Kii株式会社は、スマートフォンのアプリ開発者向けのKii Cloudというクラウドサービスを提供しています。2007年に設立された同社は、中国の上海と米国シリコンバレー、そしてスペインで開発やビジネスを展開しています。同社の創業者2人は、外資系のIT企業でエンジニアとしてのキャリアを積み、海外企業でも数々の要職を務めたことから、今でも、一年の大半を海外でビジネスを推進しています。主力サービスであるKii Cloudは、国内外で多くの利用者を獲得し、日本の大手キャリアも採用しています。同社では、急速に事業が発展し、企業としての経営規模が拡大するのに合わせて、成長に追随できるERPを探し続けていました。その要求に、NetSuiteのリアルタイム経営管理が応えています。

グローバルで成長する企業の上場を見据えた財務戦略の強化

Kii株式会社
Kii株式会社
取締役 公認会計士
太田 将氏

Kii株式会社は、モバイルアプリ専用クラウドとして多くのユーザー数を獲得しているKii Cloudをコアとして、モバイルアプリデータ分析のMobile Analyticsや、中国への参入ソリューションを提供するKii to China、さらには、モバイルアプリを資金面で支援するKii Capitalなど、アプリビジネスに必要なソリューションをワンストップで提供しています。同社のビジネスにおいて、リアルタイム経営管理システムを必要としていた背景を、取締役で公認会計士の太田将氏は、次のように話します。

「2007年に当社の代表取締役で創業者でもある荒井と鈴木が、会社をスタートさせてから三年くらいは、オフィスマネージャの中山がほぼ一人で会社を切り盛りしていました。外部の税理士や弁護士などに協力してもらって、会社の経理や業務などを処理していました。しかし、外部に委託すると、たとえば財務会計の数字がわかるまで

に、一ヶ月くらいはかかってしまいます。そこで、会社の規模が少し大きくなり財務経理マネージャーとして松本が入社した頃から、管理会計システム(ERP)の導入を検討しはじめました」

Kii株式会社
Kii株式会社
財務経理マネージャー
松本 隆志氏

財務経理マネージャーの松本隆志氏はオフィスマネージャーの中山美穂子氏と協力して、経営層が求める財務指標を提供してきました。その取り組みと、当時の課題について松本氏が振り返ります。「入社当時は、各拠点個別の会計ソフトのデータをエクセルでまとめ、取締役が必要としている財務諸表や経営指標などを作成していました。とはいえ、人手による作業には限界があり、日本製の会計ソフトも海外法人には対応していないので、グローバルでの利用は不可能でした」

こうした背景に加えて、同社は将来的な上場も見据えていたので、グローバルで採用できる経営管理システムの必要性に迫られていました。

「人手による集計ではなく、数字を入力したらリアルタイムで経営指標が得られること、日本だけではなくグローバルで展開できる会計システムであること、この二つをなんとか解消できる経営管理システムはないかと、

松本と中山とずっと悩み続けていました」と太田氏はNetSuiteを採用する以前の状況を説明します。

スピード、コスト、フレキシビリティを高く評価してNetSuiteを採用

Kii株式会社
Kii株式会社
ファイナンスディレクター
齋藤 和紀氏

取締役が求める経営指標をグローバルでリアルタイムに提供できる管理会計システムの導入について、経理部門で悩んでいた2013年の9月に、大手外資系企業でERPの導入経験のある齋藤和紀氏が、ファイナンスディレクターとして入社してきました。「入社して間もなく、太田からERP導入に関する相談を受けて、すぐに選定に取り掛かりました。その際に重視したのは、ベンチャーとしての事業経営のスピードを阻害したくないということでした。また、これから大きくなる会社なので、成長に合わせて拡張できるフレキシビリティも求めました。さらに事業規模に合わせて小さく始められるコストパフォーマンスも重視しました」と齋藤氏は選定の経緯を話します。

ERPの選定段階では、クラウドサービスだけではなく、オンプレミスのSAPやOracle E-Business Suiteに、ハイブリッドでの構成なども検討されました。

「当社の事業規模から判断すると、オンプレミスでの運用には無理がありました。初期投資に多額のコストがかかる点と

「当社の事業規模から判断すると、オンプレミスでの運用には無理がありました。初期投資に多額のコストがかかる点と、

運用管理に課題がありました。なぜなら、社員の多くはエンジニアですが、情報システム部門のように社内のITを専門的に運用できるスタッフは限られているからです。そのため、個々のユーザーが自主性を持って利用できるERPであることが求められました。その意味から、やはりクラウドサービスでいくべきだろうと考えたのです」」と太田氏は説明します。 最終的に、NetSuiteとMicrosoft Dynamicsという二つのクラウド型会計システムに対象が絞られました。

「Microsoft Dynamicsは、米国ではサービスを提供していましたが、日本では対応できるリソースがいないということで、ベンダーから話を聞くこともできずに、2013年内の稼動すら未定という状況でした。それに比べて、NetSuiteはサービスの実績もあり、その機能も合理的だと思いました。またレポートをいろいろな角度から作成できる点も、経営層の期待に応えられると考えたのです」と齋藤氏は選定の理由について触れます。

日本の財務スタッフが、NetSuiteを選んだ段階で、最終的な決定は社長と会長に委ねられました。「米国に提案したところ、シリコンバレーでもNetSuiteはファイナンスのスタンダードシステムだという推奨が得られました。米国では特に、クラウドの真価である『バージョンロックしない』という点も評価されていました。これならば、採用して大丈夫だと決断しました」と太田氏は話します。

初期投資を最小に一ヶ月で運用を実現して望んでいた数字を可視化

Kii株式会社
Kii株式会社
オフィスマネージャー
中山 美穂子氏

2013年9月に齋藤氏が入社して、ERPの検討に入ってから1~2ヶ月でNetSuiteの採用を決めた同社では、すぐに導入を開始しました。

「実際の導入は、一ヶ月もかかりませんでした。NetSuiteのセミナーに参加して、事前に導入方法や使い方を学んでいたこともあり、これまでのERP導入の経験も活かして、作業は順調に進みました。もし、オンプレミスでERPを導入していたとしたら、おそらく半年から一年くらいの時間がかかっていたかもしれません。導入の速さは、クラウドならではのメリットだと思います。もちろん、オンプレミスと比べて、初期の導入にかかったコストは、大幅に削減できました」と齋藤氏は導入の速さと低コストを評価します。 同社が導入を短期間で実現できた背景には、ERPに精通していた齋藤氏の存在に加えて、NetSuiteの経営管理システムを柔軟に受け入れた経営的な判断も幸いしていました。

「基本的に、NetSuiteの導入にあたっては、システムに業務を合わせる方針にしました。そのため、NetSuiteで提供しているテンプレートの中から、当社に最適なものを選び、そのまま利用しました。これまで手作業に頼る部分も多く、明確な業務ルールやワークフローも確立されていなかったので、ほとんどゼロベースから導入を推進できました。振り返ると、それが良かったのだと思います」と太田氏は導入における経営判断の柔軟さを説明します。

業務をシステムに合わせるという柔軟な導入方法を実践したことで、同社のNetSuite運用には、もう一つの成果が得られたといいます。

「以前は、社員からの申請をわたしが見て、必要なものを社長に決済してもらう、という承認作業を行っていました。それがNetSuiteのテンプレートを採用したことで、申請の内容別に、対象となる権限者が的確に承認するように、社内でのワークフローと承認プロセスが確立されました。NetSuiteで各自の権限管理が明確になったことで、内部統制などに必要な仕組みも構築できたのです」と中山氏は業務面での効果を話します。

もちろん、科目コードなどもすべてNetSuiteのテンプレートに合わせたことで、日本だけではなくグローバルでの展開も見据えた経営管理が可能になりました。

「それから、PCだけではなくタブレットやスマートフォンなどマルチデバイスで利用できる点も、飛躍的に便利になりました。もちろん、日本で入力した数字を米国にいる社長がリアルタイムで把握できるようになり、経営のスピードも向上したと思います」と松本氏はクラウドならではのメリットを語ります。

一年以内にグローバルのカンパニーにも適用していく

「2013年は、日本法人への導入だけでしたが、これから一年以内には中国と米国法人にも、NetSuiteを導入していく計画です。また、日本でも運用しながら必要な設定を追加しています。おそらく、当社ではNetSuiteの全機能の1/10も使いこなしていないと思います。今後はトレーニングやサポートを通して、より活用していきたいと考えています」と齋藤氏は今後に向けた取り組みについて語ります。 同社では、NetSuiteのマルチランゲージや各国の税法に対応している機能を活用して、グローバルで展開するビジネスをリアルタイムに把握できる経営管理を実践していく計画です。また、今後の上場に向けた経営計画においても、NetSuiteの存在は重要視されています。

「当社では、三年後くらいまでには、上場のプロセスを開始したいと考えています。そのときに、経営データをNetSuiteに集約しておいても大丈夫かは、導入段階でも検討しました。結果的に、米国のスタートアップ企業でもNetSuiteを採用してた実績が多く、問題ないと判断しました。また上場するにあたっては、海外の子会社の連結決算など、会計業務も煩雑になってくるので、そうした課題もグローバルでNetSuiteに統一していくことで、解決できると期待しています」と太田氏は同社の成長と発展におけるNetSuiteの貢献に対する抱負を述べました。