Hachioji Clinic

Company

医療法人社団 斗南堂 八王子クリニック

所在地:

〒192-0081
東京都八王子市横山町 11-5

診療科目:

内科、外科、皮膚科、肛門
科、脳神経外科、胃腸科、
各種健康診断、マルチスライス
人間ドック(脳・心臓・肺)、
八王子市特定健康診査・予防
接種

理事長:

井藤 尚文

Webサイト:

http://www.hachicli.or.jp/index.html


医療法人社団 斗南堂 八王子クリニック

医療法人社団 斗南堂 八王子クリニック(以下、八王子クリニック)は、東京都八王子市を拠点として、1990年の開院以来「働く人を応援します」を基本理念として、予防医療という観点から自費診療クリニックならではの利点を活かした包括的な医療サービスを、主に現役のビジネスパーソンをメインターゲットに提供されています。患者様や時代のニーズに合わせた新たな医療や検査コースを継続的に提供されていくなかで、患者様を中心に据えた事業戦略の重要性を感じており、早い段階から情報共有のためのシステムを整備されてきました。今回は、さらなる顧客満足度の向上を実現するために、コールセンターの業務効率化、情報共有体制の強化に合わせて将来的な拡張を視野に入れ、既存のCRM製品から、NetSuiteのクラウドCRMにシステムを刷新されました。

ワールドビジネスセンター(株)

クリニック概要

ワールドビジネスセンター(株)
井藤 尚文 理事長へのインタビュー1
(8分34秒

八王子クリニックは、東京都八王子市を拠点として、死亡原因の上位を占める、がん・心疾患・脳疾患の確定診断を行う「人間ドック」、レーザーメスを取り入れた入院の必要がない「痔の日帰り手術」、医療と介護を同時に提供する高齢者向けマンション「シルバーヒルズ八王子」を中心に、医療サービスを展開されています。 1990年の開院以来「働く人を応援します」を基本理念としており、当初は平日夜6時から9時まで、土曜・日曜も診療を行う夜間診療所としてスタートされました。現在でも、現役のビジネスパーソンをメインターゲットに、予防医療という観点から、自費診療クリニックならではの利点を活かした包括的な医療サービスを提供されており、検査コース、メニューや検査項目の拡充、効率化、精度向上、低侵襲医療の導入、また、充実したサポート体制の構築などに積極的に取り組まれています。最近では、人間ドック検査コースにMRI乳がん検査を含む婦人科検査を新設し、触診や苦痛のない、女性に優しい婦人科検査の提供をはじめられました。また、設備面では、世界で初めて人間ドックに冠動脈撮影を採用し、国内クリニックでは初となるマルチスライスCTによる人間ドックを導入するなど、大学病院と同等機器の採用により高水準の検査環境を整えています。

導入の経緯 統合システムのため、あらゆる業務データが一元化され リアルタイムに把握できる点を重視

八王子クリニックが、このような自費診療を中心とした包括的な医療サービスの展開に至った背景には、医療を取り巻く環境の変化があるといいます。 井藤理事長は次のように語ります。

「医療業界は非常に大きく動いています。従来、医療は保険収入に支えられており、比較的安定していましたが、医療費を抑制しようとする動きから保険診療の査定が厳しくなり、診療の自由度が低くなりました。そのあたりの自由度の低さから、より新しい医療がどんどん出て来たときに、どうしても提供したいとなると、自費診療でという流れになってしまいます。医療というのは進歩していきますが、その進歩に対して、保険で対応できていくかは難しいのが現状です。」

八王子クリニックは、このような環境の変化から、開院当初からの「働く人を応援します」という基本理念を突き詰めていくなか、予防医療を中心とした自費診療のサービス提供に注力されるようになりました。井藤理事長は次のように語ります。

「病気というのは基本的に予防するというのが重要です。医療をより深く考え、予防までの範囲を守備に入れると、人間ドックという展開が自然です。日本人の死亡原因の上位に対して、しっかりと向き合い、予防医療という観点から今、働いている現役世代を支えていくことが、結果としと社会全体への貢献になると考えました。」

しかし、新しい医療を取り入れサービスを充実させるには、最新の医療機器への大規模な投資が伴う場合があり、すべてのサービスを等しく安価に提供することができなくなるといいます。クリニックであっても企業として継続してサービスを提供するためには、収支を合わせて企業活動を継続しなければなりません。そのため、収支が合う価格設定と同時に、その価格の価値を患者様に対して納得してもらうための努力が必要であり、その価値を理解してもらえるターゲットに対して戦略的にアプローチしていくことが重要だといいます。

「人々にいいことをするのは、言葉で言うのは簡単です。一時的にいいことをするのは簡単です。しかし、いいことを継続してこそはじめて企業としての意味があるので、収支を合わせることが重要になります。死亡原因に対して確定診断ができる検査をおこなう『全身ドック』には、非常に高価な検査コースもあります。保険治療の安い医療費に慣れている人たちにとって、その価格の意味と価値と、その裏付けを伝えていくのは容易なことではありませんが、しっかりと検査することの意味と意義を理解いただく、あるいは、理解いただけるよう努力することが重要だと考えています。」

CRM導入の背景

また、八王子クリニックが、患者様や時代のニーズにあった新しい医療サービスの提供に取り組まれる背景のひとつには、医療業界全体での「患者」に対する大きな意識の変化があったといいます。井藤理事長は語ります。

「今、ほとんどの病院で受診される方のことを『患者様』と呼んでいます。それまでは『患者さん』と呼んでいました。10年くらい前から変ってきました。医療においても、保険をベースに必要なことを最低限おこなうということから、お客様を扱う方に意識が変ってきました。」

これにより、顧客満足度の向上やサービスの拡充のためにも、クリニック全体で、スタッフも含めて患者様を中心に据えた情報共有が非常に重要になったといいます。井藤理事長はCRM導入の目的を次ように語ります。

「全てのスタッフが同じ方向を向いて努力するためには、情報共有が重要になります。情報共有がなければ、みんなで同じ方向を向くことができませんから。今後は、ひとりの患者様に対しても、一元化された同じ情報を持ちながらサービスを提供していきたいと思っています。全てのスタッフが同じ情報を共有して、意見を交わしながらサービスの質を高める。患者様を中心に据えた情報共有は、我々にとって、ますます重要になると思います。」

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井藤 尚文 理事長へのインタビュー2
(5分25秒)

システムの導入前の課題

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医療法人社団 斗南堂
井上 敬介 事務長

八王子クリニックにとって、クラウド型のCRMの導入は、NetSuiteがはじめてではありませんでした。2008年、人間ドックの予約管理の一元化のために、他社のクラウドCRMを導入し活用されていました。しかし、このCRMは、予約情報の一元化という点で一定の成果はあったものの、患者様の増加やサービスの拡充にともない、カスタマイズ性、拡張性の低さや、蓄積されたデータを有効活用できない点が問題視されるようになりました。井上事務長は次のように語ります。

前回、導入したクラウドCRMは一定の成果はありましたが、コールセンター業務パッケージで、あくまでも記録用であるという側面が強く、蓄積されたデータをマーケティングに有効活用できないという課題がありました。記録用ということで、データに対しては二次元的な補完の仕方になるため、ツリー構造になっていない、クロス集計できない、クロス集計が弱い、というのが目立つようになりました。実際、患者様が増えるにつれて、そういうものが求められるようになってきたのです。また、カスタマイズしなければならないことが多すぎたことも課題でした。」

また、既存のCRMが稼働しているコールセンターの業務を効率化し、オペレーターの負荷を少しでも減らすということも重要でした。1日あたりのコール数は、それほど多くはありませんが、1件あたりの通話時間10分~15分と長く、現場でも、より使いやすいものが求められていました。

「一般的な商品を買うこととの違いですが、コールセンターに電話される患者様の多くは、直接声が聞きたい、質問したい、病院の様子を知りたい、オペレーターとの会話を期待されて電話されるケースが多く、1対1の対応をとりやすいシステムが必要でした。申し込みをされた後でも、どんな検査なのか、検査の流れはどうなのか、オプションはどこまでやるべきか、など多くの質問を頂戴します。そのため、現場でも、より使いやすいものが必要となっていました。」

さらに、CRMの入れ替えを検討するきっかけとしては、このような課題に合わせて、既存CRMのサービス利用料の価格改定のインパクトが大きかったといいます。同じサービスであるにも関わらず、様々な課題を抱えながらも価格だけは1.5倍ということであれば、今後の拡張も含めて、新しいCRMシステムを検討すべきであるという判断となりました。

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井上 敬介 事務長へのインタビュー
(6分13秒)

NetSuiteの選定

八王子クリニックは、すでにクラウドを利用していたこともあり、最初からクラウドを前提として新しいCRMシステムの検討をはじめました。井上事務長は次のように語ります。

「基本的には、クラウド型で探していました。ある程度カスタマイズ容認できて、コスト的にそこそこで抑えられるものを重点化して探しました。やはり、我々には、我々なりの使いやすさがあるので、それにどこまで近づけていけるのかが不安でした。」

検討の初期段階では、複数のクラウドCRMが候補となりましたが、既存のクラウドCRMが抱えていた問題点から選択肢は限定され、拡張性や将来性の高さが評価されたNetSuiteが、八王子クリニックの次期CRMとして選ばれました。

「NetSuiteに対しては、将来的な期待を抱くことができたので、導入を決めました。以前のクラウドCRMも、同じように将来的な期待を込めて導入しました。もちろん、ある程度のレベルまでは到達することができましたが、次のステップに進むことができませんでした。結局、『機能としてはあるんだけどね』で終わるものが多くありました。使う側からすると、機能があったから、使いやすく使えるというのは別問題です。NetSuiteには、データの分析や統合も含めて『将来的にもっともっと使いやすく使えるようになる』という期待を抱くことができました。」

また、井上事務長はクラウドを利用することのメリットについて次のように語ります。

「NetSuiteを導入して、医療機器の周辺を取り巻くものをネットワーク化し、すべてが一元化された最終的な理想型のコスト感は、他のベンダーから提示される価格と、桁が違いました。医療機器はかなり高価であり、ちょっと相談するだけでも、それなりの価格になります。しかし、クラウドであれば、我々のような中小の大きな体力の無いクリニックでも、すぐに使えることができ、しかも必要に応じて拡張できるので、大きく事業展開できるチャンスを手に入れることができます。」

NetSuite導入後の活用と効果

NetSuiteは、既存のCRMの守備範囲であったコールセンター業務を中心に導入され、2011年5月より稼働しています。

まずは、「全身ドック」を受診された方に対して、医療情報詩やキャンペーンの御案内の発送、受診後のフォローアップとして1年間のメールによるご相談の受付、さらに経過観察の必要がある方へ定期的な検査のご案内、必要な情報提供などのサポートを充実させています。井上事務長は語ります。

「我々は、もっとリピーターさんに対してもサービスを手厚くしたいと思っていました。そのためにも、クリニックに来てくれた理由だけではなく、来てくれなかった理由も大事です。もちろん、すべてを知ることはできません。直接、お話を伺えませんので。だから、蓄積されたデータをもとに、統計的に類推していくことが重要になります。類推して仮説を立て、具体的に行動する。そのサイクル、PDCAサイクルを繰り返すことで、見えてくることがあると思っています。」

またNetSuiteのダッシュボードや情報共有について井上事務長は次のように語ります。

「私は、経営的な視点から見た数字を追いかけるためにダッシュボードを使っています。NetSuiteによって、予約の見込みはどれくらいかを、月別、コース別、属性で、すぐに見ることができるようになりました。また、現場でも、予約を受けてから、レポートを出すまで、一連の作業がすべて記録および共有されるため、以前よりも情報が伝わりやすくなったように感じています。情報共有においては、特にNetSuiteの日報の機能が便利だと感じています。」

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井上事務長のダッシュボード

今後、NetSuiteに期待すること

井上事務長はNetSuiteを活用した将来的な理想型について次のように語ります。

「クリニックにあるすべての情報がひとつの顧客IDに紐づいて管理できるのが理想です。顧客IDはひとつだけど、そのなかで診療群ごとに、情報を別々に見られるようになるといいですね。しかしながら、クリニックには、まだまだ、たくさんのシステムが動いています。最終的にはそれらの情報を、患者様の情報に紐付けて統合することが理想です。患者様とのタッチポイントは、オンライン、オフラインの両方がありますので、それらも、ひとつに統合したいですね。必要な情報がすべて患者様を中心に、統合されたときに、NetSuiteの最終的な魅力が理解できるようになると思っています。とは言え、そこまで到達するためには、クリアすべき課題がまだまだ多く残っています。ネットスイート社には、今後も継続したサポートや情報提供を期待しています。」

また、医療とITについても次のように語ります。

「もともと医療分野でのIT利用は早い段階から進んでいましたが、法的な制約もあり、特殊な状況が続いていました。システム同士を繋げられないことが多くありました。また、外部にデータを持つこともできませんでした。しかし、今ちょうど、これが劇的に変ろうとしています。数ヶ月前、GEがクラウド型の画像サーバの提供を発表しました。日本医師会はORCAという電子カルテのシステムを配布しています。医療分野でのIT利用においても、システムの統合、規格の統一やクラウド化が進んでいます。特に、クラウド化の流れは、中小のクリニックにとって大きなメリットがあると思っています。自分たちで高価な機械を持たなくても充実したサービス提供できるようなるので、大きなチャンスになると思っています。」